第24回光学シンポジウム(光学技術・学術講演会)
ア ブ ス ト ラ ク ト
[システム設計・評価]
1. 「すばる」望遠鏡の新技術[招待講演]
国立天文台 家 正則
1991年度から9年計画でハワイ島に建設を進めてきた口径8.2mすばる望遠鏡の試験観測が1999年1月より始まった。この望遠鏡の光学系、機械系、制御系で用いられた新技術を軸に、ビデオも用いてご紹介する。
2. 高精細3CCDデジタルカメラ用ズームレンズの開発
旭光学工業(株) 伊藤孝之、尾崎弘康
3CCD(B4マウント)デジタルカメラ用ズームレンズ1:2/12.5〜63(2/3”)を開発した。CCD140万画素x3=420万画素の高精細カメラにふさわしい光学性能を確保するために、低分散ガラス2枚を有効に使用して、全焦点距離において色収差を高度に補正し、また、3ヶ所調整により高精度な焦点移動補正が達成できた。さらに、全焦点距離、全物体距離の光学性能を同時に評価できる新しい表示方法を紹介する。
3. 正立実像の小型レンズアレイ
(株)マーク 藤陵嚴達、後藤昭
平行平面の透明基板の表面及び裏面の直線上に等しい微小凸集光曲面をそれぞれ薄いベース層で繋がれた状態で等間隔に配し、その表、裏面の集光曲面はそれぞれ光軸を有する。物体の第1像は物体側の凸集光曲面により、基板の厚みの略1/2の距離に縮小結像され、その像を像側の凸集光曲面により拡大再結像し正立像を得る。製作には凸面と反対の凹曲面が直線上に配された金型の上に紫外線硬化樹脂を滴下し、基板を載せ、基板側より紫外線を照射する。物像間距離は6.5〜10mmと小型で倍率の色収差は0, 600DPIの高性能も可能である。
4. レーザプリンティングにおける高速・高密度化技術
(株)リコー 中島智宏、伊藤達也
デジタル複写機は年々、高生産性化のためのプリント速度の向上、高画質化のための解像度の向上が求められ、一度に複数のラインを走査するマルチビーム書込光学系への期待が高まっている。私達は光源ユニットに複数の半導体レーザとカップリングレンズ、ビーム合成手段とを集約することにより、1ビームと同じ書込光学系に載せかえるだけでマルチビーム書込を実現する技術を開発し、製品化した。
5. 拡大投影型レーザ走査光学系のレンズ設計
富士ゼロックス(株) 福永秀樹
電子写真方式のプリンターやデジタル複写機の露光部として、我々は、2次元状に配列された面発光レーザアレイを光源に用い、その発光パターンを拡大投影するレーザ走査光学系の検討を行っている。そこで用いるレンズ系は、画像幅300mmで1200dpiの解像度を持ち、かつレーザアレイ側でテレセントリックであることが要求される。本発表ではこれまでに行ったレンズ設計のポイントと具体的な構成について提案を行う。
6. Analysis of Diffraction Effects in Optical Systems
Optical Research Associates
Thomas J. Bruegge, Matthew P. Rimmer and James D. Targove
A beam propagation capability has been developed for the CODE V(R) optical design program that can be applied to systems where significant diffraction effects occur within the optical system. Examples of such effects include the spreading of a narrow laser beam when propagated a long distance, clipping by multiple apertures which are not near the exit pupil and obstruction of the beam near a focus (such as with a pinhole). General optical systems, which may include thick lenses, non-spherical surfaces and off-axis beams, can be evaluated with this capability. The initial beam is defined by its amplitude and phase and is propagated, surface by surface, through the system. One of four different propagators may be used between any two surfaces, 1) Fraunhofer, 2) Fresnel, 3) converging/diverging Fresnel and 4) ray tracing. Beam propagation results are shown for some example systems that could not be correctly analyzed by ray tracing and diffraction at the exit pupil.
第24回光学シンポジウム