第24回光学シンポジウム(光学技術・学術講演会)
ア ブ ス ト ラ ク ト

[光学素子・加工]


21. 薄膜の常温接合による微細形状創成法の提案と微小光学素子への適用

富士ゼロックス(株)  高橋睦也、山田高幸

3次元自由形状の創成とサブミクロンの形状精度を両立する新しい積層造形法として、薄膜をフォトリソグラフィー法にて3次元物体の各断面形状にパターニングし、これらを常温接合技術にて積層する微細3次元形状創成法を提案し、微小光学素子の作製に適用した。本方式によれば、例えば回折効率に優れる多段構造のフレネルレンズが容易に作製可能となる。また各段の表面粗さは面粗さで2nmRa程度と良好なため、散乱損失も少ないという特徴を有する。


22. 実用的なΔnを持つ低分散分布GRINレンズの作製

オリンパス光学工業(株)  福岡荘尚、小池 尚、森田祐子、木下博章、野田 聡

我々はゾルゲル法によってSiO2-TiO2-BaO-K2O系低分散分布r-GRINの作製に成功し、昨年屈折率差(Δn)を約0.022まで拡大する手法について報告した。しかし、適用光学系が限定されるなど、実用的にはこの屈折率差では不十分であった。今回屈折率差のさらなる拡大を試み、従来の2倍以上であるΔn≒0. 06の屈折率差を持つr-GRINを得たので、その実現方法と評価結果を報告する。


23. PVED法を用いたカラーフィルターの作製

富士ゼロックス(株)  大津茂実、圷 英一、清水敬司、夫龍淳

我々は、水溶性高分子が水素イオン濃度の変化によって析出する性質と、水溶液中で半導体電極に光を照射すると光起電力が発生し、光電気化学反応で電極近傍の水素イオン濃度が変化することを利用して、任意の場所に薄膜を形成できることを確認した。この方法をPVED法と名付け、液晶ディスプレーの主要光学部品の一つであるカラーフィルターを試作した。PVED法はUXGA仕様に対応可能な次世代技術であると考えている。



第24回光学シンポジウム