【開催報告】


2003年7月3日
第28回光学シンポジウム実行委員長
仁科 喜一朗 ((株)リコー)
 第28回光学シンポジウムは6月19日,20日の2日間にわたり早稲田大学 国際会議場 井深大 記念ホールにおいて開催されました.本シンポジウムは光学技術者が一同に会する講演会では日本光学会でも最も歴史のあるもので,より実用的なトピックが多いことから,民間企業技術者の啓発および議論の場として定着しています.開催場所としては,当初昨年まで開催していた工学院大学 新宿校舎を予定しておりましたが,3月末に工学院大学様の学内行事が入ってしまったため本シンポジウムの仮予約が無効となり,急遽早稲田大学 国際会議場に開催場所を変更させていただきました.開催場所変更に伴いまして,不慣れなこともあり,ご講演者の皆様,およびご参加いただきました皆様に色々とご不便,ご迷惑をお掛けしたことを改めてお詫びいたします.
 早稲大学 国際会議場は,昨年の工学院大学と比べて最寄り駅から若干距離があり,また屋外を徒歩でご参加していただかなければならないため,当日の天気が非常に気がかりでした.特に台風が接近しているとの予報があり,「当日大雨だったら・・・」と気を揉んでおりましたが,幸いにも二日間共好天に恵まれ,大盛況に終わった昨年の314名を大きく上回る,393名もの皆様にご参加いただき,本シンポジウムの最高記録を更新することが出来ました.また,初日講演後の懇親会も会場から溢れんばかりのご参加を頂き,参加者や講演者を囲んだ歓談が行われ,より一層の交流がはかれたと考えております.

 参加費は,昨年も行いました事前申し込みを本年も実施し,80名を越える皆様にご利用いただきました.しかし,事前申し込みの振り込み用紙配布を,光学会機関誌「光学」に添付している関係から,光学会以外のご参加の皆様にご迷惑をお掛けいたしました.この事前申し込みは,金銭的メリット以外に,会場受付けが迅速に済むなど,参加者・主催者ともにメリットが有ることから,より多くの方々に利用して頂けるよう,今後は広報や方法に工夫をしていきたいと考えております.

 さて,今回のシンポジウムのテーマは例年と同様に「光学システム・光学素子の設計,製作,評価を中心として」とし,内容は日本光学会の活動の全分野を対象として,問題提起の発表も含めた裾野の広い募集要項としました.昨年より,協定学会のSPIEと韓国光学会,及び日本光学測定機工業会を加え,総数22の学協会に協賛頂きました.この結果本シンポジウムは,多岐にわたる分野からの応募が多く,また,光学系の設計を中心とした話題が多いことも特徴です.特に本年初めて韓国のSAMSUNG ELECTRONICS CO., LTD様よりご講演をいただき,本シンポジウムも国際化へ第一歩を踏み出せたと思います.
 今回の講演数としては,合計34件(招待講演5件,一般講演29件)と言う多数のご応募をいただきました.プログラムとしては,招待講演を核として,その関連発表を出来る限り一つのセッションにまとめる形で編成を行いました.今回は件数もさることながら,内容も非常に興味深い講演が揃ったこともあり,連日活発な質疑・論議をかわしていただき,二日にわたり聴講者数の変動が少なく,会場がほぼ定員の状態を維持することができました.次年度以降,講演応募数が更に増大した場合には,ポスターセッションの実施などを含め,シンポジウムの運営の再検討を行って行きたいと考えております.

 なお,皆様よりお答え頂いたアンケートをもとに本シンポジウムを仔細に評価し,今後の運営に役立てていきたいと思います.今後とも何卒よろしくお願いいたします.

 最後になりましたが,本シンポジウムの運営にご尽力いただいた早稲田大学 国際会議場事務局の皆様,実行委員,アドバイザー各位,ならびに講演者の皆様に感謝を申し上げ,光学シンポジウムの開催報告とさせて頂きます.
仁科実行委員長
仁科実行委員長


日本光学会(応用物理学会)主催/第28回光学シンポジウム