第31回光学シンポジウムは2006年6月22日,23日の2日間に亘り東京大学生産技術研究所コンベンションホールに於いて 開催されました.本シンポジウムは,日本光学会が主催する会合の中でもOptics & Photonics Japan (旧Optics Japan)に次いで参加者の多い学会となっております.今回も,約350人のご参加を いただき盛況の内に開催することができました.シンポジウムに向けてご準備いただいた講演者と,貴重な時間を割いて 下さった参加者の皆様に改めて厚く御礼申し上げます.
光学シンポジウムは,産学の有志が集まり,産学連携の場として発足したと言う伝統を持ちます.今年も企業の技術者に 多数ご参加いただくと共に,実際的な問題に踏み込んだ発表,討論が活発に行われました.
招待講演では7テーマをお願い致しました.譚様(オプトウェア)にはコリニア方式ホログラフィック光ディスク, 菊池様(ソニー)には回折型光変調素子による2005インチプロジェクションディスプレイといった,現在業界で注目されている光学システムについてご講演いただきました.岡本様(理化学研究所)には,今後に応用展開が期待される プラズモニック結晶について,理論的な基礎から有機EL素子への応用までをご講演いただきました.渋谷先生(東京工芸大学)には,ステッパー光学系の極限を追求した光学設計について,フレアーや収差の理論を紹介していただき,他の光学分野の 技術者にも示唆に富む考え方を示していただきました.谷田貝先生(筑波大学)には,進展の著しい光コヒーレンストモグラフィー の原理から研究開発の最前線までを,豊富な実験結果と共にレビューしていただきました.Bruno Berge博士(Varioptic)には,液体可変焦点レンズに関するユニークな技術開発と商品化の現状をご紹介いただきました. 山口先生(群馬大学)には,実用化への期待が高まるデジタルホログラフィ技術の原理から応用までを歴史的な視点を 交えてご講演いただきました.これらの招待講演を含み,さまざまなジャンルから合計25件の講演応募をいただきました.
また,初日の夕刻から行われました懇親会にも多数のご参加をいただき、講演者と参加者の間でより一層の交流がはかれたもの と考えております.
光学シンポジウムは,来年も東大生研のコンベンションホールに於いて開催される予定です.産学連携の重要性が広く認識 される中で,これを根付いた伝統として持つ光学シンポジウムの意義は益々大きいと思います.皆様には今後も 光学シンポジウムへの積極的なご参加と日本光学会のご支持をお願い申し上げます.
最後になりましたが,本シンポジウムの運営にご尽力いただいた東京大学生産技術研究所の関係者の皆様, 日本光学会(応用物理学会)関係の皆様,ならびに実行委員の皆様に感謝を申し上げ,開催報告とさせていただきます.
2006年7月14日
第31回光学シンポジウム実行委員長
本多 徳行 [ キャノン(株) ]
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来年は再び東大生研で! |