【招待講演の概要】


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スリムファンクション光学エンジンの投射光学系
秋山和哉
日本ビクター株式会社

近年,ディスプレイは薄型化,大型化が進み,LCDやPDPなどのFDPが市場を賑わすようになってきた.一方, PTVも3管式からMD型へ変遷し,飛躍的な画質向上を果たしてきたが,他のFPDに比べセット奥行きが大きいというビハインドがあり,これを解決すべく「スリムファンクション光学エンジン」を開発した.投射光学系に屈折型レンズと非球面凹面ミラーを採用することで,薄型化(従来比約40%短縮)と従来困難とされてきたテーブルトップ型との両立に成功した.設計面では歪曲収差,像面湾曲,色収差等を良好に補正しており,樹脂成形で面精度を出すことが困難な非球面ミラーをShape Errorだけでなく,Slope Errorによる歪曲の評価,Curvature ErrorによるMTFの評価を行なうことで金型修正や成形条件に適切にフィードバックを行ない,実用化を成し遂げた.


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携帯電話向けイメージセンサ市場・要求技術動向
飯塚智明
東芝 セミコンダクター社

(1)カメラフォン向けイメージセンサ市場動向
2007年には携帯電話の年間世界市場10億台,搭載率6割を超えると言われているカメラフォン市場について,現状内訳・今後の市場動向を分析する.
(2)イメージセンサ要求技術動向と今後の展開
カメラフォン向けでの要求技術の特徴と最新動向・今後の技術傾向について,イメージセンサ・光学系の観点から要求される技術動向を分析する.

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波長走査レーザーを用いる干渉法とホログラフィへの応用
石井行弘
東京理科大学応用物理学科

電流変化による波長走査半導体レーザーを利用するサブフリンジ干渉計測法や1波長以上の形状を測定する広帯域波長走査レーザーを用いる位相シフト干渉法を紹介する.赤,緑,青の波長走査レーザーを使用する波長走査サブフリンジ干渉法は,カラーデジタルホログラムの製作に応用される.各色のレーザーの波長変化量を調整することにより,波長に依存しないアクロマティックな位相シフト量を与えることができ,ホログラム位相の測定精度が向上する.

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デジタル家電の光学技術
石黒敬三 
松下電器産業 パナソニックAVCネットワークス社

新三種の神器と言われている薄型TV,DVDレコーダ,デジタルカメラなどのデジタル情報家電の市場は近年急速に拡大しているが、これらの商品群の重要なキーテクノロジーとして光学技術はここ20年に様々な革新が起こっている.デジタル家電における過去から現在の光学技術の進化について,特にレンズの技術を中心に紹介し,今後の光学技術にどのような発展の可能性があるかについて考察する.

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μリフレクタ方式光ディスク
田部典宏
ソニー(株) マテリアル研究所 光記録研究部

μリフレクタとは,2本の対向するレーザー光を記録材料内の同一点へ集光することにより記録される,回折限界サイズのホログラムである.本方式では,このμリフレクタを単板記録メディアに多層状に体積記録することにより,従来の光ディスクと比較して高密度の記録が可能である。本講演ではμリフレクタ方式光ディスクシステムに関する概要および記録・再生結果を報告する.

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ランダム光渦場の位相特異点を用いた新センシング技術
武田光夫
電気通信大学

粗面からの散乱光中には螺旋状の位相構造を持つ沢山の光渦が生成される.光渦場の中心には位相勾配の周回積分がゼロにならない位相特異点が存在し,位相アンラッピングを困難にする.そのため,光渦場は干渉計測の最大の敵とみなされ,いかにその影響を取り除くかが重要課題とされてきた.我々は,全く逆の発想に基づき,光渦場や位相特異点を障害とみなさず,計測に積極的に利用する新しいセンシング技術を提案した.講演では,その原理と実証実験を紹介する.

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プラズモニック・メタマテリアル
田中拓男
独立行政法人 理化学研究所 ナノフォトニクス研究室

プラズモニック・メタマテリアルとは,ナノ金属構造体中の自由電子の共鳴振動を利用して,巨視的な物質の電磁気学的特性を人工的に制御した人工物質である.本講演では, THzから可視光領域で動作するプラズモニック・メタマテリアルについて,その動作原理から光学特性やナノ金属構造の設計方法,さらにはプラズモニック・メタマテリアルの光機能素子への応用を,最新の話題を含めながら講演する.

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日本光学会(応用物理学会)主催/第32回光学シンポジウム