第32回光学シンポジウムは2007年7月5日,6日の2日間に渡り,東京大学生産技術研究所An棟コンベンションホールに於いて開催されました.本シンポジウムは,光学関係の研究者,技術者が集う日本光学会主催の会合としては,Optics & Photonics Japan (旧Optics Japan)に次いで規模の大きな講演会となっております.基礎的な講演が多いOptics & Photonics Japan に対し,本シンポジウムは実用的な講演が多い事から,企業の方に多くのご参加を頂くという特長を持っております.
光学シンポジウムは30年程前に産学の有志が集まり,産学連携の「場」として創設され,今日に至っております.本年も約320人の方にご参加頂くと共に,終日活発に討論が行われ,盛況の内に閉会を迎えることができました.その結果,光学シンポジウムの「人と人との融合が図れる場」としての役割を果たす事ができたと思っております.
招待講演と致しましては,7テーマお願い致しました.光学シンポジウムといえば,以前はズームレンズの設計事例や自動設計アルゴリズムのご講演が多数見受けられたのですが,近年は減少する一方でした.そこで今年は,少しでも光学設計に係る講演が増えるきっかけになればと,光学設計に関連するテーマを多めにお願いいたしました.
田中様(理研)には負の屈折率が実現可能な「プラズモニック・メタマテリアル」,田部様(ソニー)には次世代大容量記録方式である「μリフレクタ方式」といった今後の展開が注目されているテーマでご講演いただきました.
石井先生(東京理科大)には「波長走査レーザを用いた干渉計」,武田先生(電通大)には「位相特異点を用いた計測法」についてそれぞれ基礎から応用までをご講演いただきました.
秋山様(ビクター)には「プロジェクションテレビ用投射光学系」,石黒様(松下電器)には「デジタル家電の光学技術」,飯塚様には「携帯電話向けイメージセンサ」といった,比較的我々に身近な製品に搭載されている技術についてご講演いただきました.
これらの招待講演を含み,さまざまなジャンルから全28件の講演応募を頂き,盛況な光学シンポジウムを開催することができました.ご講演者の皆様には改めて御礼申し上げます.
上述のように光学シンポジウムは創設時から産学混合の実行委員会を組織し,その実行委員を中心に運営を行っております.各々所属先の業務をこなしながら,昨年11月から8ヶ月間に渡り光学シンポジウムの準備を行ってまいりました.光学シンポジウムの成功は,これら実行委員の尽力の賜物だと思っております.この場をお借りしまして,実行委員の皆様にも厚く御礼申し上げます.
光学シンポジウムは,来年も東大生研に於いて開催される予定です.その重要性が広く認識される産学連携を,伝統として持つ光学シンポジウムの,研究や技術の発表の「場」として役割は益々大きくなると思います.皆様には今後も光学シンポジウムへの積極的なご参加と,日本光学会へのご支持をよろしくお願い申し上げます.
最後になりましたが,本シンポジウムの運営にご協力頂きました東京大学生産技術研究所の皆様,並びに日本光学会関係の皆様,そして第32回光学シンポジウムという一つの「場」を共有できた参加者の皆様に心から感謝を申し上げ,開催報告とさせて頂きます.
2007年7月22日
第32回光学シンポジウム実行委員長
板橋 彰久 [(株)リコー ]
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来年も再び東大生研で! |