7月8日(木)
局所適応重み法を用いた赤外線複眼像からの距離分布取得
○香川 景一郎、谷田 純
大阪大学大学院情報科学研究科
単一の赤外線イメージセンサにゲルマニウムレンズアレイを組み合わせ,赤外線複眼カメラTOMBOを構築した.光環境によらず,暗闇でも被写体の距離分布を取得できる可能がある.テクスチャのない赤外線複眼像から距離分布を得るために,局所適応重み法を多眼撮像系に拡張した.また,エッジを保存するローパスフィルタを後処理に用い,物体面の滑らかさと,物体境界の不連続性を両立した距離分布が得られることを,実験で確認した.
大阪大学大学院情報科学研究科
可搬型並列ディジタルホログラフィシステムの設計と製作
○藤井 基史1、角江 崇1、伊東 謙一1、田原 樹1、粟辻 安浩1、久保田 敏弘2、西尾 謙三1、裏 升吾1、的場 修3
1京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科、 2 葛v保田ホログラム工房、3神戸大学大学院大学院工学研究科
並列ディジタルホログラフィは被写体の高精度3次元動画像計測が可能な技術であり,数種類の手法が提案されている。この技術を可搬型の計測装置へ応用し実用化するためには,システムを小型・軽量化する必要がある。そこで,提案されている3種類の手法に対応する可搬型システムを設計・製作した。本講演では,システムの設計指針,製作,動作確認結果と,その際に生じる課題について報告する。
1京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科、 2 葛v保田ホログラム工房、3神戸大学大学院大学院工学研究科
参照光二系統ホログラフィックストレージの開発
○小川 昭人、岡野 英明、碓井 隆、白土 昌孝、渡部 一雄、立田 真一、久保田 裕二
鞄月ナ
参照光を2系統備えたホログラフィックストレージを提案する。二光束干渉方式における多重軸のアクチュエータは記録密度が大きくなるほど非常に高い角度精度が求められる。再生時には再生像を利用した角度調整が可能であるが、記録時の角度はアクチュエータの角度精度で決まり、隣接ページからのクロストークが問題となる。
本方式は、高い記録容量を保ちつつ、多重軸の角度精度の緩和を可能とするものである。
鞄月ナ
偏光ホログラフィとリターダグラフィ
○茨田 大輔1,2,3、川越 陽介1,2、関口 寛基2、福田 隆史3、川田 重夫1,2、谷田貝 豊彦1,2
1宇都宮大学大学院工学研究科、2宇都宮大学オプティクス教育研究センター、3産業技術総合研究所光技術研究部門
偏光を使った光情報記録は,高密度光メモリや偏光回折光学素子への応用が期待される.その技術として,偏光を制御した二光束を偏光応答性記録媒体上に照射して記録する偏光ホログラフィが知られている.また,近年,単一光束で偏光情報記録を行うリタータグラフィが提案された.本講演では,偏光ホログラフィとリターダグラフィの関係について解説し,光情報記録再生の実施例を紹介する.
1宇都宮大学大学院工学研究科、2宇都宮大学オプティクス教育研究センター、3産業技術総合研究所光技術研究部門
液晶偏光モードコンバータとレーザー顕微鏡への応用
○栗原 誠1、齋藤 友香1、田辺 綾乃1、橋本 信幸1、小澤 祐市2,4、佐藤 俊一2,4、日比 輝正3,4、根本 知己3,4
1シチズンホールディングス(株)開発部、2東北大学多元物質科学研究所、3北大・電子研・生体物理、4 JST CREST
分割配向技術を用いた液晶アクティブ波長板によるラジアル偏光発生素子と液晶輪帯位相超解像素子を組み合わせた偏光モードコンバータを試作した。本素子は電圧により位相制御可能で広い入射波長に対しチューニング可能である。ここでは素子構造の特徴とその光学特性、並びにレーザー顕微鏡に用いた場合の超解像効果等について報告する。
1シチズンホールディングス(株)開発部、2東北大学多元物質科学研究所、3北大・電子研・生体物理、4 JST CREST
短焦点距離バイナリ型回折レンズの構造最適化
○荒川 和哉1、中山 裕次1、元垣内 敦司1,2、三宅 秀人1,2、平松 和政1,2
1三重大学大学院工学研究科、2三重大学極限ナノエレクトロニクスセンター
100mmオーダーの短焦点距離バイナリ型回折レンズの実現を目指し、回折レンズ構造と回折光強度の関係を調べた。PETフィルム上に、電子線描画により回折レンズを作製し、レンズ構造と回折光強度の関係を調べた。周期および周期内部の構造の大きさによって1次回折光強度が変化することを明らかにした。これより、0次回折光強度を減らし、1次回折光強度を増加させるためには、構造の最適化が必要であることがわかった。
1三重大学大学院工学研究科、2三重大学極限ナノエレクトロニクスセンター
高次の回折効率を持つ透明回折格子の簡便な特性予測
○星野 鉄哉1、伊藤 雅英1、谷田貝 豊彦1,2
筑波大学数理物質科学研究科1、宇都宮大学CORE2
拡散や反射防止効果のある周期が波長以上の回折格子は、LEDや太陽電池の光利用効率向上等において、有効だが、物理光学近似が困難で、直観的な光学設計に支障があった。そこで、可視光域における回折角度分布のピーク角及びピーク幅の波長依存性や形状依存性を簡便に予測する方法を提案し、深さ・周期が回折効率に及ぼす影響およびその数式や電場分布との対応について厳密結合波解析と特殊時間領域差分法を用いて明らかにする。
筑波大学数理物質科学研究科1、宇都宮大学CORE2
フレネル数の小さい軟X線用顕微光学系の結像特性
○豊田 光紀、倉光 康太、柳原 美広
東北大学多元物質科学研究所
波長3−30nmの光を用いる軟X線顕微鏡は、元素分布像を10nmの空間分解能で観察できる新しい顕微鏡として期待されている。画素径約10μmのCCDでX線像を検出するため、結像系には1000倍を超える高倍率が求められる。このとき像側開口数の減少により、結像系の像側フレネル数は1程度にまで減少する。本発表では、小フレネル数・高倍率結像系を試作し、その結像特性を実験的に確認した結果について報告する。
東北大学多元物質科学研究所
テラヘルツレーザー光用 ミラー反射率に関する考察
○清原 元輔1、谷本 亜紀1、清原 耕輔1,2、成相 恭二1,3
1株式会社清原光学、2光産業創成大学院大学、3国立天文台
テラヘルツ波領域は、別名、遠赤外線領域またはサブミリ波領域とも言われていた。この領域は、赤外線領域およびミリ波領域の間に埋もれ、ほとんど技術開発がおこなわれていなかった。ミラー反射率に関しても、25μ以下の波長に関してはデータが発表されている。長波長側25μ〜120μの反射率に関しては、データーが公表されていないので複素屈折率をDrudeモデルを参考にして計算し、反射率を推定したので発表する。1株式会社清原光学、2光産業創成大学院大学、3国立天文台
Terahertz wave region, being also categorized the far-infrared wave region or sub-millimeter wave region, has not been surveyed enough so far. Because of those categorized studies, Terahertz wave is put between the infrared wave region and the millimeter wave region, has not made its survey enough as compare to the recent requirements in the optical fields. Terahertz wave region is also known as the far-infrared wave region or sub-millimeter wave region. This frequency region, being buried between the infrared wave and the millimeter wave region; has not surveyed well enough so far. In the mirror reflectivity, it surveyed and reported the data for less than 25 micron wave length. However, for the long-wavelength reflectance such as 25 micron to 120 micron, the date is not published. We estimated its reflectivity using the calculation by the complex refractive index by reference to the Drude model. We will report our calculation.
7月9日(金)
全方位光学系
○研野 孝吉
オリンパス 未来創造研究所
一昨年、軸対称自由曲面を用いた全方位光学系を用いて撮影・投影するカメラ・プロジェクターについて報告した。今回水平画角を194°にすることにより3倍の画素密度と明るさを達成した光学系を試作したので、これについて報告する。
オリンパス 未来創造研究所
非球面形状の最適化における準接触円錐曲面の使用法
○清原 元輔1、谷本 亜紀1、清原 耕輔1,2、成相 恭二1,3
1株式会社清原光学、2光産業創成大学院大学、3国立天文台
円錐定数と冪乗項を使って非球面を表す場合、最適化において円錐定数を変数にしてはいけないことは昨年発表している。さらに一歩進んで円錐定数をパラメーターとして上手に使えば、面の端における急なスロープが生じるのを避けることができることを示す。このようにして得られた面を準接触円錐曲面と名付ける。本論文で提案された方法を使えば非球面加工において、非球面の周辺部を研削および研磨するときに有益な手法と思われる。
1株式会社清原光学、2光産業創成大学院大学、3国立天文台
画像処理による倍率色収差の補正
○宇津木 暁彦
潟jコンコアテクノロジーセンター
レンズ設計において倍率色収差を完全に抑制する事は難しい。そこで、ニコンは画像処理によって倍率色収差を補正するアルゴリズムを開発し、デジタル一眼レフカメラ及びアプリケーションに実装している。このアルゴリズムでは、画像を解析して倍率色収差を検出することにより、収差情報を入力せずに補正を実行できる。さらに、Raw画像および現像後画像のそれぞれに適した補正アルゴリズムも実装されている。
潟jコンコアテクノロジーセンター
有機EL素子の構造最適化による射出光の色彩設計法
○滝沢 旬平,中村 正行
信州大学工学部
有機EL素子からの射出光は素子内で起こる干渉効果により発光材料とは異なる色彩が得られるため,要求仕様に応じた色彩を設計できる可能性がある.本研究では,逆解析手法を用いて仕様として定められた色彩に対応するスペクトルを同定するシステムを開発し,薄膜部の構造最適化による射出光スペクトルの制御を行うことで射出光の色彩設計を行った.その結果,限られた範囲ではあるが要求仕様を満足する射出光の設計が可能であった.
信州大学工学部
30m望遠鏡(TMT)計画の概要
○家 正則、山下 卓也、高見 英樹、臼田 知史、柏川 伸成、青木 和光、秋田 谷洋、大島 紀夫、ELTプロジェクト
国立天文台
国立天文台はハワイ島マウナケア山頂に口径30mの超大型望遠鏡(TMT)を国際協力事業として建設することを目指している。望遠鏡計画の概要、目指すサイエンス、観測装置構想、建設年次計画、プロジェクトを巡る国際状況、他の将来計画との関係などについて報告する。
国立天文台
Thirty Meter Telescope の分割鏡方式直径30m主鏡の製作検討
○秋田谷 洋、山下 卓也、大島 紀夫、家 正則、高見 英樹、臼田 知史、柏川 伸成、青木 和光、他国立天文台ELTプロジェクト室メンバー
国立天文台
次世代超大型光赤外線望遠鏡 Thirty Meter Telescope(TMT)の直径30m主鏡は、1.44m大の六角形分割鏡を492枚敷き詰めることで製作する。軸外し非球面となる各分割鏡鏡面を縁まで含めて約34nmの高い形状精度で加工することや、大量の鏡を短期に製作することなどが大きな技術的課題となっている。国立天文台で進めているTMT主鏡の鏡面加工方法の検討の現状について報告する。
国立天文台
すばる望遠鏡・TMT望遠鏡での補償光学系
○高見 英樹1、家 正則1、山下 卓也1、臼田 知史1、柏川 伸成1、青木 和光1、秋田谷 洋1、
大島 紀夫1、他ELTプロジェクト室、早野 裕1、大屋 真1、服部 雅之1、斉藤 嘉彦1、
伊藤 周1、美濃和 陽典1、他すばる補償光学チーム、渡辺 誠2、秋山 正幸3
1国立天文台、2北海道大、3東北大
国立天文台では、すばる8m望遠鏡用に補償光学系(AO)を開発し、2000年から運用してきた。2006年からは、より高性能のレーザーガイド星を装備したAOによる観測を開始し、太陽系外の惑星の発見などの観測成果を上げつつある。さらに、日本が米・加・中などとの国際協力でハワイに建設を予定しているTMT30m望遠鏡ではAOはより進化したもので、計画実現に必須であり、日本においてもその研究開発を進めている。
1国立天文台、2北海道大、3東北大
Reversed-wavefront folding interferometer
○Dalip Singh Mehta
Instrument Design Development Centre, Indian Institute of Technology
A simple and highly stable single-element reversed-wavefront folding interferometer is reported. In the conventional Mach-Zehnder interferometer system two cube-beam splitters (CBS) and two mirrors are used to complete the set-up. In the present interferometer only two CBS are used for splitting and combining the reference and object beams without using reflecting mirrors. The present interferometer system is simple and highly stable. The modified interferometer generates two interferograms side-by-side and hence both the interferograms are recorded by single area detector. The interferometer was used for generating optical vortex arrays and testing optical components.
Instrument Design Development Centre, Indian Institute of Technology
時間領域差分法による計算と光学的観察との比較によるナノ屈折率構造の推定
○田北 啓洋,早崎 芳夫
宇都宮大学オプティクス教育研究センター
光の回折限界以下の大きさの微小構造は,その形状と屈折率とを光学的に計測することが困難である.我々は,サブマイクロメートルオーダーの微小屈折率構造の形状と屈折率の推定を目的として,様々な形状,屈折率を持つナノ構造の光散乱を高精度時間領域差分法により網羅的に計算し,干渉顕微鏡により取得された光波の複素振幅との比較を行った.位相分布にあらわれる特徴が双方の解析結果に共通して現れることを示す.
宇都宮大学オプティクス教育研究センター