第24回光学シンポジウム(光学技術・学術講演会)
ア ブ ス ト ラ ク ト

[設計アルゴリズム]


7. 次元降下によるレンズシステムの最適化

中川レンズデザイン研究所、(株)シグマ*  中川治平、草川徹介*

原稿のレンズの最適化は、レンズの構成面数を変えない〜レンズベクトルの次元が一定〜条件で行われている。一般に、優れた性能のシステムはレンズベクトルの次元が高いほど設計が容易である。そこではじめに高い次元で設計し、そのシステムを出発点にして性能を保ちながら構成枚数を減らす〜次元降下する最適化が我々の提案である。次元の降下という新しい大域的な探索と最適化の可能性を探索する。


8. エスケープ関数を用いたレンズ設計

東京工芸大学  荒井大作、一色真幸、中楯末三

従来のレンズ最適化法であるDLS法では、広範囲におけるレンズの自動設計は不可能であったが、エスケープ関数を用いる事によりそれが可能となった。本研究では、エスケープ関数を用いて、実用レベルでどの程度有効な設計を行えるかを検証するため、レンズ設計の中でも性能、及び仕様に対する制限の厳しい、半導体製造に使われているステッパー用レンズを目標に設計を行った。


9. 色収差を考慮したレンズ系の進化的設計

徳島大学、東京工業大学*、(株)ニコン**  小野 功、立沢嘉宏*、小林重信*、吉田幸司**

レンズ設計において色収差を抑えるためには,曲率および面間距離と共にガラスについても最適化する必要がある.しかし,従来の自動設計手法では基本的に連続値変数しか扱うことができないため,離散値変数となるガラスをそのまま扱うことが困難であった.本研究では,連続値および離散値変数の同時最適化が可能な遺伝的アルゴリズムに基づき,色収差を考慮した自動設計手法を提案し,計算機実験によりその有効性を示す.


10. 遺伝的アルゴリズムによる光学多層膜の最適設計

信州大学、日立プラント建設(株)*  中村正行、後藤孝章*、小林光征

光学多層膜の設計では,分光透過率や偏光特性に対応して,多層膜構造における各層ごとの屈折率および厚さを適切に決定する必要がある.遺伝的アルゴリズムを適用し,蒸着物質データベースを参照して,多層膜構造の最適解を得る手法について説明する.本報告では,膜の応力や硬度,製膜条件など各種の制約や仕様の取扱い方法を提案し,いくつかの制約条件と設計仕様のもとでの最適設計例を示すことにより手法の有効性を確認する.



第24回光学シンポジウム