第24回光学シンポジウム(光学技術・学術講演会)
ア ブ ス ト ラ ク ト

[光ディスク・表示]


15. Super-RENSディスクを用いた近接場光記録システム

産業技術融合領域研究所  中野隆志、富永淳二、阿刀田伸史

スーパーレンズ(Super-resolution near-field structure)ディスクは、厚さ数十nmの誘電体層を挟んで記録層とaperture層がある構造を有し、近接場光検出の微小開口をレーザー光を用いて記録媒体側に作り出すことができる。そのため、これまでの光記録システムと同様の装置を用いながら、近接場光による回折限界を超えたマークを高速に広範囲で読み出し可能になる。本発表では、スーパーレンズの光学シミュレーション結果とディスクテスタを用いて行った実験結果について示す。


16. 液晶超解像光学素子の設計と光ピックアップへの応用

シチズン時計(株)  橋本信幸、田島栄一、大澤誠一、諸川 滋

光学系の瞳に位相マスク等を設置すると超解像が生じる事が知られる。ここでは入射直線偏光を直交直線偏光群に変換する、ハイブリッド配向された液晶素子を設計しサイドローブを持たない超解像効果を評価した。更に液晶フレネルレンズと超解像のハイブリッド効果を持たせ液晶素子を利用したワンレーザによるDVD−CDR互換ピックアップを提案する。


17. ラミネートプリズムを用いた光磁気用集積ピックアップの開発

九州松下電器(株)  三政治郎、古賀稔浩、竹内繁騎、甲斐敏訓、堀之内昇吾

我々は積層構造を有するラミネートプリズムを用いた集積光ピックの開発を進めてきた。1),2),3),4) 1997/11にミニディスク用集積光ピックアップの商品化に成功し、1998/12にはさらに小型、薄型化を図った第2世代集積光ピックアップを発売した。本発表ではこれらの光ピックアップに用いたラミネートプリズムの加工、組立等の製造方法及び、光ピックアップの基本特性、信頼性特性について報告する。

[1] S.Horinouchi et al.:Ext.Abst of Jpn.Appl.Phys.,1995 Spring,28a-T-8
[2] T.Koga et al.:Tech Digest of Micro Optics Coference,1995,PD2,P6
[3] S.Horinouchi et al.:Tech Digest of Int. Symp. Optical Memory,1995,pp.53-54
[4] S.Horinouchi et al.:Proceeding of MAGNETO-OPTICAL RECORDING
Int.Sym.,1996,PP.315-319


18. 7ビーム並列再生光ピックアップ 

(株)  ケンウッド 宮澤 寛

CD-ROMの転送レートを向上させるため多トラック並列再生を可能とする光ピックアップを開発した。隣接する7本のトラック列に対して並列再生スポットを形成する。高周波重畳で安定駆動した半導体レーザーの発光を、位相型回折格子で7分割して各々のトラック列に独立した再生スポットを結ばせた。中央のビームよりHF信号とサーボ信号を得るとともに各スポット毎の受光パターンより良好なHF再生信号が得られた。


19. LiNbO3を用いた狭ピッチ偏光ホログラムの開発

松下電器産業(株)、静岡大学*   和田秀彦、塩野照弘、松崎圭一、山本昭博、西野清治、山本和久、白岩 弘、大谷健二、 皆方 誠*

光ヘッドの小型化において偏光ホログラムの狭ピッチ化が必要である。今回、LN基板にミリング法を用い70°以上のテーパー角度を有する溝部を形成し、変形スパッタ法によりタンタルオキサイドを埋め込み、その後研磨によりタンタルオキサイドを平坦化することで狭ピッチ偏光ホログラム(6μmピッチ)を形成した。本素子は回折効率の入射角度依存性が小さく光ヘッドへの適用が可能である。


20. 端面照射型ホログラムの装着型ディスプレイへの適用可能性

富士ゼロックス(株)  友野孝夫、小笠原康裕、上柳喜一

反射型配置で、端面照射型ホログラムの回折特性を解析し、装着型ディスプレイへの適用可能性について議論した。理論解析と実験結果から、ホログラムの膜厚が薄くても、端面から照射した反射型ホログラムは高い回折効率を示すことがわかった。このことから、明るい再生像が得られる見通しが得られた。小型のHMDへの可能性を単純な画像表示実験で確認した。



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