「光ディスク用レンズの発展(小嶋忠)」の概要

 1979年にレーザーディスクとして商品化された光ディスクは,その後CD,CD-ROM,MD,MO,CD-R/RW,DVD-ROM,DVD-VIDEOなどと急速にそして多様な発展を遂げて来た.この発展の重要な要素技術の一つに光ピックアップ用の光ディスクレンズがあげられる.ここでは先ず,光ディスクレンズの発展の経緯,中でも光ディスク用非球面プラスチックレンズの発展の経緯について述べる.次に今後の光ディスクの発展を予測し,特に高記録密度用の光学系やレンズの展望をはかりたい.

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「積層型回折光学素子の研究とそのカメラレンズへの応用(中井武彦)」の概要

 回折光学素子は近年,様々な分野で応用されてきている.キヤノンは昨年,撮影レンズに応用可能な「積層型回折光学素子」を開発し,同素子を搭載した超望遠レンズEF400mm F4 DO IS USMについて技術発表した.そこに用いられている積層型回折光学素子の特徴と性能,どのように撮影光学系へ応用しているかなどについて講演する.

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「江戸期における光技術の二三の話題(藤原裕文)」の概要

 江戸時代の末までに,今日手にする多くの光学機器のプロトタイプが次々と舶載され,眼鏡を製造する家内制の手工業が育ち,やがてレンズを組み込んだ虫眼鏡,覗き眼鏡,望遠鏡,顕微鏡,写真鏡,幻灯器など光のハイテク製品を自製する人たちも現れた.この背景には,中国や西洋からの光技術の導入だけではなく,玉石の加工・研磨・穿孔などの古代からの伝統技術の継承がある.
 他方,江戸中期のころから洋書が輸入され始め,光の科学にも関心が向けられるようになり,江戸末期には各種の視学諸器や眼による結像が,光線や光の屈折などを含めた幾何光学を基礎にして論じられるようになった.しかしながら.光の科学が育ってきてもそれを光の技術と密接に連係させる場は見られなかった.
 江戸時代の光の技術のなかから,二三の話題を紹介する.

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「HOEを用いた小型シースルーディスプレイの開発(笠井一郎)」の概要

 従来のホログラフィック光学素子(HOE)を用いたシースルー型情報表示装置は,HOEをコンバイナとして利用し表示の拡大には別の光学系を用いていたため大型で複雑な構成となっていた.我々はHOEの波面再現性を積極的に用いてコンバイナと拡大系の2機能を複合し,さらにプリズム内全反射を用いた効率的な光束折畳み光学系によって超薄型軽量のシースルー型情報表示装置を開発した.その設計と試作について報告する.

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「大口径絶対平面の干渉計測(日比野謙一)」の概要

 半導体ウェーハの口径拡大等により,産業界で300mm以上の口径の平面度測定が重要な課題となってきた.産総研では,3枚の測定平面を組み合わせてフィゾー干渉計で測定から基準面を用意せずに平面度測定を行う手法を研究しているが,その実験結果及びフィゾー干渉計の高分解能化のための画像処理手法,位相変調法としてのピエゾ素子駆動と波長走査法の比較等について,最近の国内外の研究動向と共に紹介する.

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「光波干渉測長技術の進展(松本弘一,○平井亜紀子)」の概要

 長さの精密測定は,科学技術の分野だけでなく,半導体産業や精密工業の分野におい重要なテクノインフラとして求められて来た.特に現場において,寸法管理は製品の高品質化に重要であり,光波干渉による測定は必然である.このような測長技術の精密化に寄与した技術は、量子エレクトロニクスによるところが大きい.ここでは,これらの技術の当該分野における進展に関して紹介し,さらに,非線形光学などを取り入れた将来に関して紹介する.

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「DOEを用いたボード内光インターコネクション技術(高森毅)」の概要

 LSI技術の高性能化にプリント基板上の電気配線技術が追随できなくなる,いわゆるI/Oボトルネック問題の解決を目指し,光インターコネクション技術の研究が盛んに行われている.我々は,バイナリオプティクスを用いた平板光学基板と,光素子を一体集積したLSIチップとを用いたチップ間光インターコネクション技術について研究を行っている.本論文では,光回路構成および要素技術について説明し,実験結果について報告する.

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「フォトニック処理の通信への応用:フォトニックIPルーチング(北山研一)」の概要

 フォトニックネットワーク技術なくしては将来の情報通信ネットワークインフラは有り得ない.本講演では,フォトニックネットワークのパケット転送技術に着目し,技術動向および今後の研究開発課題について展望する.とくに,近未来の技術課題であるWDMネットワークにおける波長ベースのパケット転送技術と,究極的な目標である光領域でのパケットヘッダの認識をベースとするフォトニックIPパケットスイッチに焦点を当てる.

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