【一般講演の概要】


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超薄型リアプロジェクタ用フレネルレンズスクリーン
○遠藤 貴雄,鈴木 浩志,鹿間 信介,寺本 浩平
三菱電機(株) 
リアプロジェクタの薄型化を目的として,超広角光学系が提案されている. リアプロジェクタの透過型スクリーンは,光源からの光を観測者側に向けるフレネルレンズを備えているが, 従来の屈折型フレネルレンズと超広角光学系を組み合わせると,透過効率と色ずれの問題が発生する. 本論では超広角光学系に適した,全反射・屈折プリズムからなるハイブリッド型フレネルレンズスクリーンについて, その設計思想と効果を議論する.
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透光性セラミックス(ルミセラ(R))
○田中 伸彦,金高 祐仁,呉竹 悟志,安藤 陽,坂部 行雄
(株)村田製作所
弊社の透光性セラミックス(ルミセラ(R))は,可視光帯での高い屈折率と, 可視から赤外にわたる広い光透過帯域を有する新しい光学材料である. この高い屈折率を活用して,デジタルカメラのレンズ材料として昨年実用化された. 本報告では,実用化されたルミセラ(R)の特長と,光学材料としての新しい材料展開について紹介する.
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光学製品情報の体系化
○山本 公明*,大井 孝夫*,桑山 哲郎**,高橋 貞利**,澤村 雅孝***,瀧谷 俊哉***,鈴木 等****,白石 昭****,山田 浩*****,齋藤 道明*****,松田 淳******
オリンパス(株)*,キャノン(株)**,コニカミノルタオプト(株)***,(株)トプコン****,(株)ニコン*****,ペンタックス(株)******
電子商取引や社内外でのコラボレーション,コンカレント・エンジニアリングの効率推進に向け, 光学製品情報モデルを定義し関連データを共有及び交換するニーズが高まりつつある. この課題に対し,国内光学会社で形成されたコンソーシアム,「O-CALS研究会」, で検討してきた技術体系や情報モデルにつき報告する.また,国際規格との関わりについても言及する.
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壁面設置型薄膜太陽電池用の光学多層膜最適設計
○赤尾 光一*,中村 正行*,近久 慎一郎**
信州大学*,信州大学大学院**
太陽光発電パネルを建物壁面へ設置する場合は, 建物の屋上や屋根に設置する場合と比較して反射損失が増加し,変換効率の低下へとつながる. そこで,本研究室で開発した薄膜太陽電池用多層膜最適設計プログラムを用いて, 薄膜太陽電池を壁面へ設置する場合の光学多層膜の設計および評価をおこなった. その結果をもとに太陽電池を壁面設置する際の斜入射を考慮した多層膜設計の重要性を述べる.
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偏光子微細アレイとCCDの一体化による偏光イメージングモジュール
○佐藤 尚*,佐々木 良裕**,川嶋 貴之*,石川 理*,大寺 康夫***,川上 彰二郎*/****
(株)フォトニックラティス*,東北大学**,東北大学TUBERO***,(財)仙台応用情報学研究振興財団**** 
積層型フォトニック結晶は光軸方位の異なる微細な偏光子をモノリシックに集積することが可能である. 本偏光子アレイのサイズをCCDピクセルに合わせることで,異なる偏光の画像を同時に取得できる. これによりハレーションが起こる環境でも鮮明な画像を得ることができ,バイオ医療,形状計測,セキュリティなどへの応用が期待できる.実際に45°ずつ異なる4種の偏光子を10μm角でモザイク状に配置した偏光子アレイをCCDと一体化させ基本動作を確認した.
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フォトニック結晶アレイを用いた小型・並列処理型エリプソメータ
○佐藤 尚*,佐々木 良裕**,川上 彰二郎*/***
(株)フォトニックラティス*,東北大学**,(財)仙台応用情報学研究振興財団***
周期的な凹凸のある多層膜構造からなる(自己クローニング型)フォトニック結晶は, 任意波長の偏光子及び波長板として動作する.更に光軸方位の異なる領域のアレイ化によって 広範な応用展開が可能であり,その一つに薄膜の厚さ・光学定数の評価を行う小型・並列処理型エリプソメータがある. 今回フォトニック結晶をCCDに一体化した小型偏光計測モジュールを開発した. 偏光測定精度の評価を行ない,エリプソメータ搭載の見通しを得た.
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高速部分読み出しCMOSイメージセンサを用いた微弱光計測システム
○豊田 晴義,宅見 宗則,向坂 直久,中村 和浩,杉山 行信,水野 誠一郎
浜松ホトニクス(株)
我々は,新たに開発した高速部分読み出しCMOSイメージセンサ(512x512画素,250fps)と イメージインテンシファイアをレンズカップリングして,微弱光高速計測システムを構築した. 本センサは,移動体のリアルタイム処理に有効となる,高速部分読み出し機能を持ち, 任意の128x128画素領域を2400fpsで読み出しできる.本報告では,本システムの微弱光計測における基礎特性について報告する.
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小型高速自由曲面光アンテナの開発
○高橋 浩一*,宮崎 靖浩*,高橋 潤子*,坂本 哲幸*,有本 好徳**
オリンパス(株)*,(独)情報通信研究機構**
空間光通信技術では送受信部での光電変換が高速化の制約要因である. 空間と光ファイバのトランスペアレントな光接続の実現が望まれており, 波長1.5μm帯のレーザ光を用いたシングルモードファイバへの効率的導光技術が必須となる. 本研究では,軸はずし自由曲面光学系を拡縮光学系に適用すると共に, 高精度FPMを用いた捕捉・精追尾を可能とした高精度小型軽量光アンテナの開発を行った.
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薄型波長多重回折位相光学素子を用いた波長多重屋内光無線LANの開発
○香川 景一郎,藤内 亜紀子,池内 隆志,布下 正宏,太田 淳
奈良先端科学技術大学院大学
本研究では,多チャンネル同時受信機能をもつ光無線LAN用CMOSイメージセンサと, 薄型波長多重位相光学素子(WMDPE:Wavelength-Multiplexing Diffractive Phase Element)を 分波素子として用いた波長多重屋内光無線LANを提案する.4つの入射波長659.2nm,784.8nm,831.0nm,897.0nmに対して, 集光点が400 um間隔で一列に並ぶWMDPE分波素子を設計した.電子線リソグラフィでWMDPEを試作して再生像を測定した結果, 集光位置は最大誤差3 um程度(0.5%)と,設計値とよく一致した.
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光架橋性液晶高分子を用いて作製した偏光回折格子液晶セルの回折特性
○佐々木 友之*,小野 浩司*,桑原 将臣**,川月 喜弘**
長岡技術科学大学*,兵庫県立大学** 
本研究では,光架橋性液晶高分子を配向膜として用い,その架橋方向を周期的に変化させることで 偏光回折格子液晶セルを作製した.作製した格子は偏光変換特性を有することが実験的に確かめられた. また,この特性はフラウンホーファーの回折理論からも説明することができた. これらの結果から,光架橋性液晶高分子を配向膜として用いた液晶セルによって, 偏光変換機能を有する回折格子を作製できることが分かったので報告する.
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二重井戸型光圧ポテンシャルを用いた微粒子ソーティング
○林 靖之,芦原 聡,藤村 隆史,志村 努,黒田 和男
東京大学
光トラップではレーザー光を強く集光して,溶媒中に存在する微粒子を捕捉することが出来る. 我々はこの手法を用いた微粒子のソーティング技術の開発を行っている.本発表では, ソーティングの方法を説明し,基礎特性である平均滞在時間のサイト間距離依存性について述べる. また,基礎実験結果から得られたパラメーターを用いて行ったソーティング実験の結果を述べる.
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2方向からの投影を用いた立体顕微鏡
○鶴田 創*,陳 軍*,松岳 翠*,畑田 豊彦*,田中 展望**,丹司 敬義**
東京工芸大学*,名古屋大学**
本報告では,2方向からの投影像を用いた透過型ステレオ顕微鏡について述べる. 2方向からの照射光による物体の投影像をNTSC方式のビデオカメラの異なるフィルードに 記録・表示することで,微小な透明・半透明物体の立体構造の実時間観察を可能にした. 物体の重なり合いや陰影なども立体視効果に寄与している.光源の切り替えは液晶シャッター及び注入電流直接変調の LEDを利用している.立体視に対する2照明光間の角度や,光源の指向性・コヒーレンスの影響についても議論する.
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SSG-DBRレーザを用いたOFDR-OCTによる組織観察
○古川 裕之*,天野 卓治*,廣岡 秀明*,崔 東学*,宮沢 丈夫**,吉村 了行**,石井 啓之**,中西 基***,清水 公也***,大林 康二*
北里大一般教育部*, NTT**, 北里大医***
原理が従来のタイム・ドメインに対してフリーケンシー・ドメインである, 波長走査は連続ではなく階段状である, 測定波長が生体計測に最適とされた波長1.3μm帯ではなく1.55μm帯である, 機械的走査を伴わず高速測定が可能である等の 特徴を持った新しいOFDR-OCTを我々は開発した. この方法の原理についてはすでにこのシンポジウムで発表済みだが, いく種類かの生体計測に適用した結果を今回報告する.
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青色半導体レーザを用いた位相シフト干渉計
○陳 軍*,田中 葉*,中楯 末三*,清原 通雄**
東京工芸大学*,清原光学** 
本報告では,マルチモード発振のGaN系青紫半導体レーザの波長偏移を用いた位相シフト干渉計について述べる. 次世代光ディスクの開発・製造において,青色レーザを用いた光ピックアップ光学部品の高精度な計測法が要求される. そこで,我々はマルチモード発振GaN-LDの各モードの発振波長が注入電流に対してほぼ線形に変化することを見出し, GaN-LDを用いた波長偏移位相シフト干渉計を構築した.干渉縞の可視度は光路差を適当に調整することで確保できる. DVDレンズの波面収差を計測し,その可能性を確かめた.
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微細周期反射防止構造を用いた超斜入射干渉計の開発
○水谷 康弘*,大谷 幸利*/**,梅田 倫弘*/**
東京農工大学 大学院工学教育部*,大学院共生科学技術研究部**
微細周期反射防止構造を底面に付与した反射防止プリズムを用いて超斜入射干渉計の開発をおこなった. 斜入射干渉計の測定感度は試料に対する入射角度に依存する. ここでは,昨年度報告した厳密結合波解析を用いて設計した斜入射反射防止微細周期構造を用いる. 作製した反射防止プリズムを用いることで試料への超斜入射を実現し,超斜入射干渉計による表面形状計測を行なった.
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可変ホログラフィックフェムト秒レーザー加工
○早崎 芳夫,杉本 貴史,西田 信夫
徳島大学 
フェムト秒パルスレーザー加工において,加工の高速化は最重要課題である. 高速に加工を行うためには,ガルバノミラーや自動ステージを用いて, レーザーを高速に走査させて逐次的に加工を行うスキャニング加工法や, 干渉を用いて1度に複数の加工を行う並列加工がある. 本報告では,計算機ホログラムをフェムト秒レーザー加工に適用し,空間光変調素子を用いることで, 任意パターンの可変な加工を実行する.
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光ピックアップ用液晶収差補正素子とその軸ずれ対策
橋本 信幸
シチズン時計(株)
DVDディスクの傾きにより発生する3次コマ収差は特にピット書き込みにおいて重要な問題となる. そのためアクチュエータによる傾き補正が行われているが,対物レンズの瞳面に液晶収差補正素子を挿入することで 機械可動部のないアクティブ補正を行える.しかし対物レンズのトラッキングにより軸ずれが発生し, 収差補正能力が低下する.そこで軸ずれに対し影響を受けにくいパターンを設計し,効果を確認したので報告する.
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日本光学会(応用物理学会)主催/第30回光学シンポジウム