【一般講演の概要】


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コリニアホログラフィックメモリーのシフト選択性
○芦塚 泰*,志村 努*,藤村 隆史*,市村 正太郎*,黒田 和男*,譚 小地**,堀米 秀嘉**
東京大学生産技術研究所*, (株)オプトウェア** 
コリニアホログラフィックメモリーは,次世代の光記録方式として近年注目され ている,われわれは,そのコリニアホログラフィックメモリーにおける物理の解 明,及び,それを足がかりとしたコリニア方式の改善に向け,数値計算を行って いる.本発表では,コリニアホログラフィックメモリーシステムのシフト選択性 について,実験と数値計算の結果について報告する.

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2種材料混合膜によるオプティカルフィルターの作製
○豊原 延好,菊池 慶,新田 佳樹,和田 順雄,高橋 健二,井浦 重美,川俣 健
オリンパス(株)
2種類のスパッタリングターゲットへの投入パワーを変更することで混合比を変えて 2種類の混合膜の作成が可能であるが,混合比率によっては,放電を安定に維持することが難しい. 今回,我々は,各ターゲットに投入するパワーなどの成膜条件を一定に保持したまま, 各ターゲットと基板との間に設けた遮蔽マスクの開口幅を変えることで,混合比を任意に変える試みをした. 混合膜を用いたフィルターを紹介する.

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液晶露光装置用カタジオ投影光学系
○吉岡 均,河野 道生,深見 清司,渡辺 周,鈴木 章義
キヤノン(株) 
液晶投影露光装置には,高画質な大型液晶パネルを生産するための装置性能と高生産性が求められている. それらを実現するため,従来光学系の良像域の拡大をコンセプトとし,非球面レンズの導入と高精度大型ミラーの 加工技術を確立した.その結果,従来と同等の光学性能を維持しつつ露光領域の拡大と照度アップに成功し, 大型液晶パネルの高生産性を達成した.我々が開発した投影光学系を中心に光学システムについて紹介する.

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高NA ArF液浸リソグラフィにおけるレジスト解像性の影響
○岸川 康宏, 本多 徳行, 岩ア 裕一, 大久保 彰律, 川島 美代子, 吉井 実
キヤノン(株)
半導体デバイスの高集積化が進む一方で,化学増幅型レジストの解像性能が限界に近づいている. 我々は,ハーフピッチ45nmに対応したArF液浸リソグラフィに関して,二光束干渉露光による基礎検討を進めている. 本発表では,高NA液浸領域おける結像性能に対するレジスト内の酸拡散が与える影響に関しての検討結果を示すとともに, 現状のレジスト解像性能がハーフピッチ45nm世代以降に与える影響に関して考察する.

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回折効率の測定を利用したラメラー格子の形状評価
○市川 裕之, 岸本 篤典, 中尾 真士, 立花 泰裕
愛媛大学
共鳴領域の回折格子の表面凹凸形状を最も正確に測定するには,現在, 電子顕微鏡を使用する必要がある.そのため,測定試料は透過型光学素子 として使用することは出来ない.そこで,回折効率の測定値を,電磁気学 的な数値計算で得られた値と比較することで,表面形状を推定する方法を 提案し,ラメラー格子に適用した例を紹介する.

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大面積・微細周期反射防止構造の高速作製技術の開発
○栗原 一真*, 中野 隆志*,池谷 博文**,氏家 雅彦**,南雲 収**,富永 淳二*
産業技術総合研究所*, パルステック工業(株)**
波長より短いナノスケール微細構造の光学素子表面への作製は,広波長帯域での 低反射率特性等が実現できるため,光部品への応用が期待されている.しかしな がら,微細パターンを大面積に描画することは難しく,現状の光学素子には適用 できていない.我々は,大面積のナノ構造光学素子を実現するため,熱リソグラ フィー法を開発し,100 nm以下のナノ構造物を高速度で大面積に描画できる技術 と装置を開発したので報告する.

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反射防止構造のためのレンズ金型微細加工とその成形技術
○大森 滋人*,西田 直樹*,山本 裕子*,上田 裕昭*,中塚 雄三**
コニカミノルタテクノロジーセンター(株)*, コニカミノルタオプト(株)**
反射防止構造(ARS: Anti-reflection Structure)はレンズ表面に波長以下の大きさの 凹凸を形成したもので優れた反射防止性能が得られる.レンズ成型時に,ARSも 同時に作製すれば多層膜による反射防止コートが不要になる. われわれは,非球面レンズの金型表面にARSを付与して,射出成型にてレンズを 作製し,デジタルカメラに組み込んでARSの効果を確認した.

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微小構造の表面形状および振動パターンの実時間白色干渉映像法
○佐藤 世智, 栗原 徹, 安藤 繁
東京大学
現在,MEMSのような微小構造を検査する際,表面形状計測と振動 パターン計測とでそれぞれ別々の光学系を用いるのが一般的である. 本稿では白色干渉顕微鏡の撮像デバイスとして時間相関イメージセンサを 導入することにより,対象の表面形状と振動パターンを同一の光学系で 映像化するシステムを提案する.

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白色光干渉顕微鏡を用いた,培養生細胞の高精度定量位相イメージング
○山内 豊彦,岩井 秀直,山下 豊
浜松ホトニクス(株)
高精度な白色光干渉顕微鏡システムと,それを用いた培養生細胞の位相イメージング結果を報告する. 本システムは,フィードバック制御によって,干渉計の光路差をサブナノメートルの精度で安定化し, 任意の位相差にロックすることを可能にしたものである.位相シフト法を用いて, 培養液中の生細胞(HeLa)を未染色のままイメージングし,良好な位相イメージを得た.

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光学フィルムを貼付したOLEDの出力特性
○藤枝 一郎,多田 匡克,高木 佳彦
立命館大学
OLEDは,非常に薄い自発光型ディスプレイやLCD用バックライトとして期待されている. 我々は,光学フィルムをOLEDの透明基板に貼り付けることで,製造工程へ殆ど影響を与えずに OLEDの外部量子効率を向上させる手法を検討している.ここでは,拡散シート,プリズムシート, 回折フィルムを用いた場合に,効率向上の効果や表示画像への影響について検討し, 更に,バックライトとしての基礎実験について報告する.

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液晶分布屈折率型量子化レンズの特性と可変焦点光学素子への応用
橋本 信幸*, ○栗原 誠**
シチズン時計(株)*, シチズン・ディスプレイズ(株)**
近年,液晶光学素子はアクティブな光波面変調素子として注目されている.我々 は80年代後半から液晶を用いたアクティブな補償光学用の収差補正素子や実時 間ホログラム素子,偏向素子等を開発実用化してきた.ここでは量子化したGRIN レンズを液晶で構成し屈折率分布をアクティブに制御する正負の可変焦点レンズ を試作した.その特徴と可変焦点光学系への応用について報告する.

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傾斜共焦点光学系を用いた三次元形状計測
○村井 俊文, 前田 康次, 馬場 庸介, 宮崎 大介, 向井 孝彰
大阪市立大学
工業・医療など様々な分野で三次元情報が利用されている.そこで,三次元計 測法の一つとして,傾斜ピンホールアレイを用いた共焦点法による三次元形状取 得システムの開発を行った.本システムは,ミラーを回転させて結像面を走査す ることで,物体や光学系を移動させることなく高速に三次元形状情報を取得する ことができる.本システムを用いて物体の表面形状を取得・再構成し,平面と段 差の形状を計測できることが確認できた.

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多重フレネルレンズを用いたホログラフィックフェムト秒レーザー加工
○長谷川 智士,早崎 芳夫
徳島大学
加工の高速化を実現するために,空間光変調素子により実現されるホログラフィッ クフェムト秒レーザー加工に,多重化された位相フレネルレンズが適用される.多重 位相フレネルレンズの使用は,回折光ピークの独立制御と任意で可変な3次元並列加 工を可能にする.回折光ピークは,レーザーの空間的強度分布と空間光変調素子の空 間応答特性を考慮しつつ,個々のフレネルレンズの中心位相とサイズの調節により均 一化される.

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高分子導波路を用いた光伝送モジュール
○大津 茂実, 鈴木 俊彦, 藤井 徹, 谷田 和敏, 清水 敬司, 圷 英一
富士ゼロックス(株)
我々は,LAMM(Large-area Advanced Micro Molding) 法と名付けた独自の高分子導波路複製法を考案し, 高分子導波路を用いた光インターコネクション用デバイスの研究を行っている. 今回,45°ミラー付きの高分子導波路をVCSELやPD素子とパッシブアライメントを用いて実装し, 光インターコネクション用の4ch光送受信モジュール試作した.このモジュールは各チャンネルが3.125Gbpsで動作し, リボンファイバーを用いて機器間伝送に利用できる.

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半導体レーザを用いた光増幅型インライン共焦点光学系の最適化
西 壽巳
大阪工業大学
光源であるLDとコリメータレンズ,対物レンズの3点からなるシンプルな共焦点光学系 を提案してきた.LD活性層をピンホールの代用とし,活性層内で光増幅を行わせると 高感度の共焦点光学系として機能する.しかし,LD駆動条件を最適化しないと通常の 共焦点光学系にない不要信号が重畳し適切な信号検出が行えない.そこで,光増幅の メカニズムと,LD駆動条件や発振スペクトル等について考察し動作条件の最適化につ いて述べる

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FBG反射パワー測定による歪み監視システム
○佐藤 信也, 森口 佳昌, 今井 正明
室蘭工業大学
光パワーメータでファイバブラッググレーティング(FBG)の反射パワーを 測定することによって,光スペアナや波長計を用いない小型,安価で且つ高速な 歪み計測法を提案し実証する.また従来方法では難しい温度補償も同時に実現する. 本研究で提案する方法では測定したパワーがほぼリアルタイムで歪み測定値に 変換されるため測定間隔を短くでき,取り扱うデータ量が小さいため長期計測への 応用も容易である.

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パノラマ光学系
研野 孝吉
オリンパス(株)
凸面鏡と結像レンズを用いたパノラマ光学系が現在一般的に使われているが, 非点収差が凸面で発生するために,結像レンズの瞳径に比べてある程度の大きさ の凸面鏡を使う必要があった.そこで,高次関数を用いた線形状を回転対称軸廻 りに回転することにより得られる回転対称面(回転自由曲面)を新たに定義する ことにより,パノラマ光学系を設計した.これにより小型でフレアーに強い光学 系の設計が可能となった.

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プロファイルセンサを用いた高速ステレオ計測モジュール
○向坂 直久,松井 克宜,豊田 晴義,杉山 行信,井堀 篤,水野 誠一郎
浜松ホトニクス(株)
我々は,高速画像処理機能をセンサ内部に持たせた高速機能センサであるプロファイルセンサを設計・試作した. 本センサは,X・Y方向の射影データ取得に機能特化して専用センサ化され,小型で高速・高機能な画像処理センサを 実現している.今回は,センサを2つ用いたステレオ方式による3次元計測モジュールを構築し,KHzオーダの測定を 行った際の精度評価を行ったので報告する.

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日本光学会(応用物理学会)主催/第31回光学シンポジウム