【一般講演の概要】
超低屈折率を有するフッ化物ナノ粒子層の導入による
反射防止膜の高性能化 |
○村田剛、石沢均、元山いづみ、田中彰 |
株式会社ニコン コアテクノロジーセンター |
光学薄膜に超低屈折率層を導入すると、様々なメリットがある。我々は、我々が開発した超低屈折率を有するフッ化物ナノ粒子層を反射防止膜に導入した際のメリットについて、シミュレーションによる薄膜設計検討を行った。また、それら設計例のいくつかについて実際に成膜を行い、実現可能であることを確認した。今回の発表では、紫外用反射防止膜の他に、可視用反射防止膜についても合わせて報告を行う。
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薄型複眼カメラを用いた口腔内三次元計測システムの試作 |
○香川景一郎1、田邊浩之1、緒方智壽子2、小倉裕介1、
中尾良純3、豊田孝3、政木康生3、上田雅俊2、谷田 純1 |
1 大阪大学 大学院情報科学研究科、2 大阪歯科大学歯周病学講座、3 船井電機株式会社 |
歯科医療分野において歯周病検診等に用いる,簡便な口腔内三次元計測技術が求められている.口腔内は狭い上,テクスチャに乏しく,光の反射,内部散乱の強い計測困難な対象である.我々は,複眼撮像モジュール(TOMBO)
と,回折光学素子による微細な計測用パターン投影系を融合した,口腔内環境に対応する3 次元形状計測システムを提案している.今回,回折光学素子によるパターン投影系を実装したプロトタイプシステムの構築を行った.
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撮像素子による反射回折ゴースト |
○松岡祥平、飯塚隆之 |
HOYA株式会社 |
固体撮像素子を用いるデジタルカメラでは,太陽を画面内に入れて暗いF値で撮影すると,水玉模様状の”不自然な”ゴーストが発生することがある.我々は実験とシミュレーションにて,この現象が周期的に分割配置されたフォトダイオード領域による反射回折光に起因することを確認した.また,水玉模様状のゴーストを軽減するための,回折特性をコントロールする手法についても検討したので紹介する.
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波動光学シミュレーションと焼き鈍し法による
回折光学素子設計 |
○岡恵子、 吉武康裕、大前吾一*、青山博志* |
㈱日立製作所、*日立ビアメカニクス㈱ |
レーザ加工装置の強度均一化のため、光学システム全体を考慮した回折光学素子の新しい設計手法を提案する。波動光学シミュレーションと焼き鈍し法を用い、評価関数として従来法の理想強度分布との差分2乗和に加え、強度変動幅、トップとボトム幅の比、および理想強度分布幅からのはみ出し面積を用いた。この結果、従来法と比較し、性能がほぼ同等で、1/5の計算時間で解が得られた。
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回折格子構成合波干渉リニアエンコーダの
検証機試作による評価 |
○鳥居康弘、新井卓也、
チャレーンブーン ナッタウット、田村仁志 |
能開総合大 |
回折格子のみで構成される合波干渉型リニアエンコーダの検証機を試作し、分解能、調整、位置合せに優れたシステム構成であることを確認した。スケールに1200本/mmの回折格子を用い、A/B相正弦波信号の電気的なパルス信号への変換で1周期:415nmの100分割以上が可能であることを確認した。また、マイコンによる実時間の変位計算で2nm程度の分解能まで確認できた。
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光学干渉計とVIPAの光分散特性を利用した
光距離計測装置 |
○森崎孝、小野浩司、塩田達俊 |
長岡技術科学大学 |
本研究はVirtually Imaged Phased Array(VIPA)を光学干渉計に取り入れ,形状計測をスキャンレスで行えるシステムを提案する.光増幅器の自然放出光(中心波長1545nm、帯域30nm)を参照光と信号光に分波し,参照光はシリンドリカルレンズにより集光しVIPAに入射した後,VIPAにより空間的に展開したコム光を反射型回折格子により光路長差を与え,サンプルからの反射光(信号光)との干渉信号をCCD上に展開し,観測する事で形状計測を行った結果を報告する.
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非球面レンズ 設計・加工における
高次非球面係数の取扱について |
○清原元輔1、谷本亜紀1、清原耕輔2、成相恭二3 |
1 株式会社 清原光学、2 光産業創成大学院大学、3 国立天文台 |
非球面レンズの光学設計および加工法における高次非球面係数の取り扱いに関しての問題点について発表する。特にA4,A6,A8,A10,A12等を利用する為の条件だしについて考察し、非球面形状加工の観点からの問題提起およびその対策について検討したので発表する。
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軟X線用超高倍率顕微対物鏡の開発 |
○豊田光紀、神野貴義、原田哲男、羽多野忠、柳原美広 |
東北大学多元物質科学研究所 |
波長3-30nmの光を用いる軟X線顕微鏡は数10 nmの高い空間分解能が期待できる。画素径10μm程度のCCDカメラを用いて回折限界像を観察するには、対物鏡に1000倍を超える高倍率と、軟X線波長に対してMarechal条件を満足する低収差が要求される。本発表では、従来の2面鏡を4面鏡に拡張することで解析的に見出した新型対物鏡の光学設計について報告する。また、波長13nm用に試作した光学系の軟X線結像特性の実証結果についても述べる。
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EDGE-ENHANCEMENT FOURIER-TRANSFORM X-RAY
MICROSCOPY USING A LAGUERRE-GAUSSIAN ZONE PLATE |
○Nándor Bokor1,2、 Yoshinori Iketaki3,4 |
1 Budapest University of Technology and Economics,2 Tokyo Institute of Technology, 3 Japan Science and Technology Agency, 4 Olympus |
We present a method for isotropic edge-enhancement in soft-x-say microscopy, using a Laguerre-Gaussian zone plate (LGZP) that performs radial Hilbert transform in a Fourier-transform holographic microscope setup. The LGZP acts as a beam-splitter, eliminating diffraction efficiency problems usually associated with x-ray microscopy optics. As numerically demonstrated, the setup can detect optical path differences as small as λ/50 with high contrast.
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波長板アレイ型偏光イメージセンサーを用いた
波長オーダーのリターダンス2次元分布測定 |
○佐藤尚、川嶋貴之、荒木武、井上喜彦、川上彰二郎 |
株式会社フォトニックラティス |
我々はこれまで偏光イメージングセンサを用いた2次元複屈折評価システムを開発し、樹脂成型品や液晶ガラスの光学歪み分布測定に適用してきた。従来は微小偏光子アレイとCCDセンサーを組み合わせていたが、本稿では微小波長板アレイを用いることで広帯域偏光イメージングセンサーを実現し、さらに波長オーダーの大きなリターダンスの2次元分布計測を実証したので報告する。
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偏光イメージングのSiCウェファ欠陥評価への応用 |
○川嶋貴之、佐藤尚、千葉貴史、川上彰二郎 |
株式会社フォトニックラティス |
SiCウエハの品質向上はデバイス性能や歩留まりを向上させるため重要課題となっている。現在、X線回折やエッチピット評価などが一般的であるが、簡便性、高速性、非破壊性が望まれている。本稿では、欠陥により生じる歪みや方位の乱れによって生じる複屈折2次元分布を偏光イメージングセンサーにより評価する方法を提案する。本方式は従来方式との明瞭な相関が見出されており、有効性を確認したので報告する
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コリニアホログラフィックメモリーにおける
クロストークノイズの統計的解析 |
○鳥取潤一朗, 角洋次郎, 藤村隆史, 志村努, 黒田和男 |
東京大学生産技術研究所 |
コリニアホログラフィックメモリーは、次世代の光メモリーシステムとして注目されている。我々は、ランダム位相マスクを用いたコリニアホログラフィックメモリーにおけるページ内クロストークノイズおよび、ページ間クロストークノイズについて解析を行った。その結果、ページ内、ページ間のノイズを統合してSNR(Signal
to Noise ratio)を記述する式を導いた。
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体積位相型ホログラフィックグレーティングの
高性能化と近赤外用広帯域分光フィルタへの応用 |
○中嶋薫、小舘香椎子 |
日本女子大学 理学研究科 |
体積位相型ホログラフィック(VPH)グレーティングは、高効率・高分散な素子として様々な応用が期待されている。今回、近赤外用広帯域分光フィルタとしてVPHグレーティングの適用を考え、広帯域化の検討を行った。厳密結合波解析(RCWA)による最適設計、作製およびその評価を行った。格子周期、膜厚、屈折率変調量の関係は重要である。露光条件の最適化と2光束の位相制御により、屈折率変調量を制御し、高性能化を実現した。
The Volume Phase Holographic (VPH) grating is attracting interests as a very efficient, dispersion device. We will talk about the challenges to the broad spectrum of VPH grating for near-infrared filters.
We have successfully developed high performance VPH gratings by calculating RCWA, using optimized exposing condition, and introducing an active phase control technique.
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計算機ホログラムに基づく
フェムト秒レーザー加工技術を用いた光学素子の製作実験 |
○川島勇人, 山地正洋, 鈴木潤一, 田中修平 |
社団法人ニューガラスフォーラム |
我々は計算機ホログラム(CGH)を用いたフェムト秒レーザー加工技術の研究開発を行っている。CGHはレーザー光を位相変調し任意の光強度分布を形成できる。よって集光レンズのみの逐次処理に比べ、光学材料への内部加工の効率化が期待できる。本稿では、CGHに基づく加工事例として光学素子を挙げる。実際に基本形状を示すCGHを設計し、フェムト秒レーザー加工により光学素子を試作することで、その有用性を確認する。
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ホログラフィックフェムト秒レーザー加工の空間周波数特性 |
○高橋洋平、長谷川智士、早崎芳夫 |
宇都宮大学オプティクス教育研究センター |
フェムト秒レーザー加工の高スループット化・高光利用効率化を目的として,液晶空間光変調素子(LCSLM)に計算機ホログラム(CGH)を表示することで,フェムト秒レーザーパルスを空間的に整形し,可変・並列加工を可能とするホログラフィックフェムト秒レーザー加工が実現されている.本研究では表示するCGHの空間周波数に応じた加工形状,閾値の比較・検討を行い,その特性を明らかにすることで加工の高性能化を行う.
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全方位光学系 |
○研野孝吉 |
オリンパス株式会社 |
前回、軸対称自由曲面を用いたフルハイビジョン映像を撮影・投影するカメラ・プロジェクターについて報告した。今回上下方向の画角を限界まで広げ、上下180°×水平360°の光学系を試作したので、これについて報告する。
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離散的形状表現を用いた
光学素子の超精密加工・計測・光線追跡 |
○森田晋也、長田隆、上原嘉宏、山形豊 |
独立行政法人理化学研究所 |
近年レンズやミラーなどの高精度非球面光学素子の生産技術の進歩により安定的に10nmオーダの超精密加工をすることが可能となってきた。高い生産性を達成するために、加工プロセスにおける形状誤差や変形の光学機能への影響を推量し評価することがきわめて重要である。そこで、本研究では超精密三次元計測された加工形状を、高精度かつ高速演算が可能な離散的形状表現に変換して光学シミュレーションを適用する手法について報告する。
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ナノインプリントによる大口径フレネルレンズの作製と評価 |
○齋藤友香、橋本信幸 |
シチズンホールディングス(株) |
我々は長年アクティブ光学素子として液晶光学素子の開発を行っており、近年では微細光学構造を用いた液晶光学素子の開発も行ってきた。今回は微細光学構造作製技術のひとつであるナノインプリント技術を利用して、大口径の非球面フレネルレンズの作製を行った。光学評価を行った結果、ガラス基板上に良好なフレネルレンズを作製できたことが分かった。本稿では大口径の非球面フレネルレンズの作製方法と光学特性について報告する。
We have developed liquid crystal devices (LCD) as active optics and recently presented LC active optics with microstructures. In the paper, we will present fabrication process and optical properties of a large size aspheric Fresnel lens using Nanoimprint technologies. Good optical properties as diffraction limit optics are obtained.
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コロイド結晶膜の共鳴的光回折の検証 |
○松下祥子、上村啓太、高木俊秀、宮崎英樹 |
日本大学文理学部 |
マイクロマニピュレーションにより作製した小規模な二層微小球クラスタにおいて、特異的に高効率な光回折が起きることが知られている。われわれは本現象を利用した安価で大面積な回折格子作製を念頭に、ポリスチレン微粒子を自己集積させて一層膜、二層膜、三層膜を作製し、それぞれのS,P偏光の透過回折光強度の角度依存を測定した。結果、自己集積により作製された二層膜は、実用的な回折格子と同程度の回折効率を示した。
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