実行委員長の挨拶
第37回光学シンポジウムは,6月14日・15日の二日間にわたり東京大学生産技術研究所において開催されました.本シンポジウムは,光学関係の研究者・技術者が集まり,産学連携の場として発足し,今年で37回を迎えることとなりました.今回も,光学設計・製作・評価をテーマとし,最新技術の発表や議論が活発に行なわれたものと思います.本シンポジウムは,日本光学会主催行事として,秋のOPJに次ぐ規模として開催されています.シングルセッション形式は,一度に多くの方の前で発表でき,また様々な分野の講演を聴くことが出来る特徴があります.また,懇親会は無料で参加できるように設定しており,産学含め色々な方との交流が生まれる貴重な場になっているのではないかと思います.
本年度の最終的な講演数は,27件.また,参加者も250人程度と昨年よりは,多少減少してしまいましたが,盛況の内に閉会を迎えることができました.ご協力ありがとうございます.
今年の招待講演は,特に幅広い分野から8名の方にお願いしました.光学システム的なところで,パナソニック安藤様から白色回折レンズの設計と試作について,三菱電機の亀山様からは,3Dイメージングレーザセンサーについて,実際の結果なども交えてご講演頂きました.また,医療の分野では,実際に臨床医でおられる慶応大学の根岸先生からは,眼科で使われている光学技術をサンテック鄭様からは,眼底だけではなく,内臓や血管などの検査などへの応用が期待出来るOCTについてご講演を頂きました.電通大富田先生からは,ナノコンポジットマテリアル応用について,最後の講演では,シャープ高本様より世界最高効率の太陽電池について,ご講演を頂きました.CCS増村様からはマシンビジョン照明について,光学屋とは違った視点でのお話を頂きました.コニカミノルタプラネタリウム西垣様より,少し毛色が異なるプラネタリウムの歴史などのご紹介を頂きました.また,一般講演においても,様々な分野から19件の発表を頂き,盛況なシンポジウムを開催することができました.ご講演を頂いた皆様にはお礼申し上げます.
本シンポジウムでは,企業・大学研究機関から15名の実行委員会を組織し,昨年11月から準備を行なってきました.運営業者に依頼することなしに,実行委員が招待講演決めから,ホームページ,ポスター,予稿集,懇親会準備,当日の受付や座長に至るまで,当シンポジウムのほぼすべての運営を行ってきました.実行委員は,HPにて紹介しています.実行委員の皆様のご協力により,無事閉会を迎えることが出来ました.この場をお借りして実行委員のみんなには,心からお礼を伝えたいと思います.ありがとう.
なお,来年も6月に同じ東大生研にて,第38回光学シンポジウムを開催する予定です.多くの方々の積極的な講演のご応募,ご参加を心よりお待ちしています.最後になりましたが,日本光学会渡辺幹事長をはじめとする日本光学会関係の皆様,ならびに参加者の皆様に感謝を申し上げて,開催報告とさせて頂きます.
2012年6月15日
瀧川雄一[株式会社ニコン]
講演会の様子
日本光学会幹事長である渡辺先生より開会の辞を賜りました。
パナソニック フォト・ライティング株式会社 安藤 貴真様より、
「撮像用回折レンズの設計手法と白色回折樹脂レンズの開発」
という題目でご講演いただきました。
サンテック株式会社 鄭 昌鎬様より、
「MEMS技術のOCT装置および内視鏡への応用展開」
という題目でご講演いただきました。
慶應義塾大学 根岸 一乃先生より、
「白内障手術と眼光学」
という題目でご講演いただきました。
コニカミノルタプラネタリウム株式会社 西垣 順二様より、
「進化する、新感覚プラネタリウム 〜ドームいっぱいに広がる宇宙と空間体験」
という題目でご講演いただきました。
三菱電機株式会社 亀山 俊平様より、
「長距離・リアルタイム撮像用3Dイメージングレーザセンサ」
という題目でご講演いただきました。
シーシーエス株式会社 増村 茂樹様より、
「マシンビジョン画像処理用途における照明系の最適化手法」
という題目でご講演いただきました。
電気通信大学 富田 康生先生より、
「ナノコンポジットマテリアルの光学と応用」
という題目でご講演いただきました。
シャープ株式会社 高本 達也様より、
「高倍集光システムに用いる高効率多接合型太陽電池」
という題目でご講演いただきました。