実行委員長の挨拶
第38回光学シンポジウムが,6月27日・28日の2日間にわたり東京大学生産技術研究所において開催され,皆様のお陰をもちまして盛況のうちに終了致しました.
光学シンポジウムは,光学関係の研究者・技術者が集まり,産学連携の場として発足しており日本光学会主催行事としては,秋のOPJに次ぐ規模として開催されています.シングルセッション形式で様々な種類の講演を聴講でき,今回も,大学・企業などから多様な最新技術の発表や議論が活発に行なわれたものと思います.
本年度の最終的な講演数は,27件.参加者は270人を超え,盛況の内に閉会を迎えることができました.ご協力ありがとうございます.
今回のシンポジウムでは,招待講演として,幅広い分野から8名の方にご講演いただきました.医療光学関連として,青色光が網膜に与える影響を,昭和大学医学部の植田様からご講演いただきました.光学設計関連では,非球面眼鏡レンズの設計及び評価につきましてHOYAの祁様,光学設計に必要な最新の最適化技術について東京工業大学の小野様,更に,4Kシネマレンズに必要とされるレンズ設計,製造技術についてキヤノンの臼井様からご講演いただきました.また最新のカーナビゲーションシステムに用いられているレーザープロジェクタ搭載ヘッドアップディスプレイにつきまして,パイオニアの野本様から,材料分野として,富士フイルムの谷様からは,商品化を実現させたナノ粒子を用いた波長選択遮蔽フィルムについてご講演いただきました.ニコンの吉田様からは,位相フレネルレンズを用いた新たな顕微鏡対物レンズについてお話をいただき,画像処理と光学の融合した新たな概念の光学迷彩の研究につきまして慶応大学の稲見様よりご講演いただきました.皆様,お忙しい中,招待講演をご快諾いただきありがとうございます.
一般講演においても,様々な分野から19件の発表を頂きました.更に今回のシンポジウムでは,光みらい奨励金の授与式および光みらい若手奨励金の招待講演も同時開催しました.若い方の参加も多く,活気づき,より盛況なシンポジウムを開催することができました.ご講演を頂いた皆様にお礼申し上げます.
また,懇親会にも多くの方にご参加いただき,産学を含め様々な方々との交流ができたと思います.
本シンポジウムの運営ですが,企業や大学から16名の実行委員を選出していただき,運営委員会を組織して,昨年11月から準備を行なってきました.実行委員全員で招待講演を決定し,ホームページ,ポスター,予稿集,懇親会の準備,当日の受付や座長に至るまで,当シンポジウムの主だった運営を行ってきました.実行委員の皆様の献身的なご協力により,無事に閉会を迎えることが出来ました.実行委員の皆様には,心から感謝とお礼を申し上げます.また,実行委員の活動にご理解とご協力をしていただきました実行員の職場の方々には,感謝を申し上げるとともに,実行委員のシンポジウムでの積極的な働きをご評価いただけたらと思います.更に,日本光学会の事務局の方々には実行員会の運営に大変お世話になりました.改めてお礼申し上げます.
最後になりましたが,ご参加いただきました皆様方,ご協力いただいた皆様に改めて感謝を申し上げて,本シンポジウムの報告書としたいと思います.
2013年7月1日
福島郁俊[オリンパス株式会社]
講演会の様子
日本光学会副幹事長である岩井先生より開会の辞を賜りました.
昭和大学 植田 俊彦 様より,
「青色光による網膜光傷害」
という題目でご講演いただきました.
HOYA株式会社 祁 華 様より,
「累進屈折力レンズの光学設計及び評価方法」
という題目でご講演いただきました.
東京工業大学 小野 功 様より,
「実数値進化計算とその光学系設計への応用」
という題目でご講演いただきました.
キヤノン株式会社 臼井 文昭 様より,
「4Kデジタルシネマとそのレンズ技術」
という題目でご講演いただきました.
パイオニア株式会社 野本 貴之 様より,
「レーザープロジェクタ搭載ヘッドアップディスプレイ」
という題目でご講演いただきました.
富士フイルム株式会社 谷 武晴 様より
「銀ナノ石畳構造による波長選択遮蔽フィルム」
という題目でご講演いただきました.
株式会社ニコン 吉田 三環子 様より,
「位相フレネルレンズを使用した顕微鏡対物レンズの開発」
という題目でご講演いただきました.
慶應義塾大学 稲見 昌彦 様より,
「光学迷彩によるDiminished Reality の実装とその実装」
という題目でご講演いただきました.