第40回 光学シンポジウム 講演プログラム
6月25日(木)
受付開始 8:30〜
午前の部 (9:00〜12:30)
開会の辞 (9:00〜9:10) |
一般社団法人 日本光学会 会長 黒田 和男〔東京大学,宇都宮大学〕 |
1.
ホログラム導光板を用いた透過式メガネ型端末【招待講演】
(9:10〜9:50) |
ソニー(株)
中野 聡 |
テキスト、シンボル、画像等の情報を視界に重ねて表示することによりAR(拡張現実)機能を提供する、透過式メガネ型端末を開発した。 独自のホログラム光学技術により、85%の高透過率と厚さ3.0mmの薄型レンズによる高い視認性を実現。 高輝度(最大1,000cd/m2)かつ両眼表示により様々な環境でも視認性の高い表示を可能とした。 本講演では反射型体積ホログラムを用いた導光板方式光学技術の概要について紹介する。
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2.
ホログラフィック光学素子を用いたウェアラブルディスプレイの光学設計
(9:50〜10:10) |
コニカミノルタ(株)
稲垣 義弘 |
ホログラフィック光学素子を用いたウェアラブルディスプレイは、波長選択性に基づく高いシースルー性と表示画像の明るさという利点がある一方で、広角化のためには、周辺まで解像力を維持するための収差補正が課題となる。本講演では、ホログラフィック光学素子を用いたウェアラブルディスプレイの収差補正について発表するとともに、ホログラフィック光学素子を作成するための露光光学系の光学設計についても併せて紹介する。
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3.
密着2層型回折光学素子とそれを搭載した撮影レンズの光学設計
(10:10〜10:30) |
キヤノン(株)
安井 裕人 |
可視波長域で使用される撮影レンズに適用可能な回折光学素子を開発してきた。 今回、従来の課題になっていた回折光によるフレアを低減した密着2層型回折光学素子を新たに開発した。また、この新素子を搭載した超望遠レンズ『EF400mm F4 DO IS U USM』を昨年末に発売した。このレンズは、小型・軽量を維持したまま、画質の向上を実現した。これらの技術内容や設計手法等について報告する。
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─ 休憩 (10:30〜10:50) ─
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4.
半導体リソグラフィ向けロバスト照明・マスク最適化手法
(10:50〜11:10) |
(株)東芝
○橋本 隆希, 甲斐 康伸, 益川 和之, 野嶋 茂樹, 小谷 敏也 |
微細半導体リソグラフィによる大規模量産では、多数の露光装置を利用するため露光装置間の露光性能ばらつきの影響が無視できない。そこで、従来法では考慮されて来なかった露光装置投影光学系の収差、照明形状など様々な要素がばらついても不良を発生させないロバストな結像性能を得るための照明・マスク最適化(SMO: Source Mask Optimization)手法を開発した。
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5.
半導体検査装置向け光学式高さセンサの開発
(11:10〜11:30) |
(株)日立ハイテクノロジーズ
○中井 直也, 谷口 浩一, 志村 啓 |
半導体検査装置用の高さセンサでウエハ表面の構造による測定誤差を低減する方法を開発した。従来の斜方投影方式の光学式高さ測定法は、ウエハ表面の構造物で検出器に入射する光の分布が乱れ、高さ測定誤差が発生する問題があった。検出器に2次元アレイセンサを用い、検出した画像に単純な計算処理を施すことで測定誤差を低減した。本報告は、上記方法をLSIパターンウエハで検証した結果を述べる。
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6.
液晶光学素子のグラスレス3Dディスプレイ応用【招待講演】
(11:30〜12:10) |
(株)東芝
上原 伸一 |
液晶技術の光学素子応用として、特殊なメガネを用いずに裸眼で立体視が可能なグラスレス3Dディスプレイ向けの屈折率分布型液晶レンズ(液晶GRINレンズ)の開発を進めている。簡素な構造で高画質化ができ、縦横2D/3D表示や部分3D表示、3D視域角切替表示など、様々な機能に適用可能なフレキシビリティを有する。本講演では、液晶光学素子の基盤技術として、光学素子用液晶モード、電極構造、駆動法を中心に概説する。
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─ 展示企業告知 (12:10〜12:30) ─
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─ 昼食 (12:30〜13:30) ─
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午後の部 (13:30〜18:10)
7.
エリオットセル内のビームの解析
(13:30〜13:50) |
国立天文台1), 高知工科大学2), (株)清原光学3)
○成相 恭二1,3), 中根 英昭2), 谷本 亜紀3), 清原 元輔3) |
エリオットセルは同じ曲率半径の球面鏡の2枚を相対させ、片方の1カ所にビーム入出力の穴を開けたものである。ビームはセル内で多数回反射した後で取り出され、セル長の数倍ないし数十倍の光路長を得る道具として使われている。ビーム中心光線の解析によりビームの振る舞いとセルの構造の関係を明らかにし、また実証した。またビームの最終ノードは出る穴の手前R/2にあり、出力ビームは発散ビームであることを確かめた。
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8.
すばる望遠鏡用 面分光ユニットの開発
(13:50〜14:10) |
国立天文台
○尾崎 忍夫, 田中 陽子, 服部 尭, 宮崎 聡, 山下 卓也, 岡田 則夫, 福嶋 美津広, 三ツ井 健司, 大渕 喜之, 都築 俊宏 |
我々のグループではすばる望遠鏡の可視光撮像分光装置FOCASに組み込む面分光ユニットを開発している。面分光とは一度の露出で広がった対象の各場所のスペクトルを得ることのでき、可視赤外天文学において注目されている観測手法のことである。面分光ユニットとはそれを実現するためのユニットである。本講演では面分光の概要を紹介した後、開発中の面分光ユニットの進捗状況について報告する。
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9.
近赤外光スペクトロスコピーを用いたがん生体機能イメージングの臨床応用【招待講演】
(14:10〜14:50) |
埼玉医科大学
上田 重人 |
近赤外分光法による生体機能イメージングの研究は、1980年代以降のテクノロジーの目覚しい発展とともに短時間で正確なデータ解析と画像化に成功し、現在、さかんに臨床研究が行われている。拡散光スペクトロスコピー(Diffuse optical spectroscopy;以下DOS)は低侵襲で利便性の高い新たな代謝イメージングであり、がんの新たな画像診断装置として期待される。これまで我々はDOSを用いた乳がんの臨床研究に精力的に取り組んできたので紹介する。
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─ 休憩 (14:50〜15:10) ─
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10.
超解像顕微鏡用位相板の作製
(15:10〜15:30) |
オリンパス(株)1), ブダペスト経済工科大学2)
○池滝 慶記1), ナンドール ボコル2) |
We fabricated the two-color phase plate for super-resolution microscopy, and experimentally investigated the image properties given by this phase plate. In spite of its simple structure, the plate can provide a super-resolution image. Beside eliminating alignment problems and yielding a compact setup, the phase plate makes our proposed method very suitable for commercial microscope systems.
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11.
高倍率EUV顕微対物ミラーの1nm精度波面制御
(15:30〜15:50) |
東北大学
○豊田 光紀, 砂山 諒, 柳原 美広 |
波長10-30nm程 度の極端紫外光(EUV)を結像に用いるEUV顕微鏡では、10nmオーダーの高い空間分解能が期待できる。我々は多層膜ミラーによる対物光学系で構成した顕微鏡(開口数NA=0.25、 波長13.5nm)の開発を進めている。本発表では、0.1nmの 絶対精度で対物光学系の波面収差を測定する点回折干渉計(PDI)の開発の現状と、形状可変ミラーとPDIを 組み合わせることで、対物光学系の波面を1nmの精度で制御した結果について報告する。
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12.
空間像を用いたコマ収差計測法のCoherence factor依存性解析 − 弱回折近似法からのアプローチ −
(15:50〜16:10) |
(株)ニコン
屋敷 賢 |
Theoretical analysis of coma aberration measurement sensitivity using aerial image sidelobe peak is performed in the partially coherent illumination case. Weak diffraction approximation approach enables us to analytically derive the aberration measurement sensitivity for a single line in a bright field. The formula can explain the coherence factor dependence of the aberration sensitivity obtained by the numerical lithography simulations.
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13.
EUV顕微鏡の光学像から収差を回復する方法
(16:10〜16:30) |
キヤノン(株)1), Lawrence Berkeley National Laboratory2)
○山添 賢治1), Kenneth A. Goldberg2), Iacopo Mochi2) |
Field-dependent aberration distribution of an extreme ultraviolet microscope was retrieved by the gradient descent algorithm customized for partially coherent imaging. In this algorithm, image calculation by eigenfunction decomposition is accelerated through the manipulation of the spatial coherence controlled by an object. The experimental result qualitatively agreed with the simulation result predicted by the lens design of the microscope.
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─ 休憩 (16:30〜16:50) ─
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14.
半視野3鏡無収差光学系
(16:50〜17:10) |
国立天文台1), (株)清原光学2)
○成相 恭二1,2), 清原 元輔2) |
非球面鏡3枚で構成した光学系で中間像を作る型は、斜鏡によるケラレを少なくするために焦点距離は長いと考えられている。ここで提案する光学系では中間像の第3非球面鏡による結像倍率をほぼ1として光軸の片側の視野を光軸の反対側に結像させる。視野の半分を失う代わりに利用できる視野で斜鏡によるケラレはない。合成焦点距離は主鏡の焦点距離2.5ないし5倍くらいが使い良さそうである。
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15.
非球面ヌルミラー干渉計の開発
(17:10〜17:30) |
(株)清原光学1),(株)タムロン2)
○清原 元輔1), 清原 耕輔1), 野口 正人1), 谷本 亜紀1), 吉井 実1), 成相 恭二1), 小森 一範2) |
非球面レンズは光学系に必須の素子として広く使われてきた。ところが今まで非球面レンズ単体を簡便に面計測する方法がなかった。ホログラム素子を使う方法も提案されたが、アライメント方法が複雑になり、手軽には利用し辛い。我々は非球面レンズで歪まされた波面をNull状態で反射し戻すヌルミラーを使った非球面ヌルミラー干渉計を開発した。簡便なアライメントシステムを考案し、その実用性を確かめたので報告する。
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16.
高感度近赤外分光と非侵襲血液計測への応用【招待講演】
(17:30〜18:10) |
産業技術総合研究所
古川 祐光 |
歌のように「手のひらを太陽に透かしてみれば」、そこから検出できる光のスペクトルは「真っ赤に流れるボクの血潮」を現している。この一見簡単に思える非侵襲血液測定には、何十年にも渡って多くの研究者が取り組んでいるが、いまだ打開策のない夢の技術である。問題は、毎日同じ食事を同じ時間に摂る人がいないことであり、体格も運動量も異なる人に対して、光を照射するだけで果たして血中微量成分が判別可能なのだろうか。高感度分光技術の開発で、この課題に取り組む我々の試みを紹介する。
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─ 意見交換会(18:30〜) ─
シンポジウム参加者は無料です.皆様,奮ってご参加下さい.
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6月26日(金)
受付開始 8:30〜
午前の部 (9:00〜12:00)
【2014年度 光みらい奨励金(コニカミノルタ科学技術振興財団賞)授与式】 (9:00〜9:10)
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17. 【2013年度 光みらい若手奨励金 採択者 報告講演】
ベクトルビーム制御によるスナップショットTHz偏光検出
(9:10〜9:30) |
埼玉医科大学
若山 俊隆 |
テラヘルツ(THz)ビームの任意偏光状態をスナップショット検出するためのベクトル渦(VV)解析法を提案する。THz-VVビームに変換するために内部フレネル反射に基づいたテラヘルツ・アクロマティック軸対称波長板(TAS plate)を開発した。THz偏光ビームを軸対称に偏光変調させることで,偏光検出を実現している。講演では、基礎実験結果を示すと共に、検出された偏光状態からTAS plate出射後のTHz-VVビームの推定までを行ったので報告する。
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【2014年度 光学論文賞授賞式】 (9:30〜9:40)
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18. 【2014年度 光学論文賞受賞記念講演】
光周波数コムによる分子分光
(9:40〜10:10) |
東京大学
井手口 拓郎 |
光周波数コムは精密周波数計測にブレークスルーをもたらし、2005年のノーベル物理学賞の対象となったレーザー技術である。近年、この画期的な レーザーを用いた様々な応用研究が報告されている。2台の光周波数コムによる デュアルコム分光は、広帯域の分子分光を高速かつ精密に行う手法として、幅広い分野の研究者の耳目を集めている手法である。本講演で は、デュアルコム分光の研究の幾つかのトピックを紹介する。
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19. 【2014年度 光学論文賞受賞記念講演】
量子光コヒーレンストモグラフィの超高分解能化に向けて
(10:10〜10:40) |
京都大学
岡野 真之 |
光コヒーレンストモグラフィは高分解能で非侵襲な光計測技術として医学など広い分野で応用されている。一方で、量子もつれ光子対を用いた 量子 計測技術として量子光コヒーレンストモグラフィが提案され注目を集めており、我々は理論・実験の両面からその諸性質を明らかにすることで、高 分解能域において分散耐性を実証することに成功している。本講演ではさらなる超高分解能化に向けた最新の取り組みについて報告する。
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─ 休憩 (10:40〜11:00) ─
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20.
表面増強ラマン散乱を用いた代謝物イメージング
(11:00〜11:20) |
富士フイルム(株)1),慶應義塾大学2),科学技術振興機構3)
○塩田 芽実1,2), 山添 昇吾1,2), 納谷 昌之1), 大村 光代2,3), 梶村 眞弓2,3), 末松 誠2,3) |
非標識の高感度センシング技術として表面増強ラマン散乱(SERS)が注目されているが、イメージング応用に向けては感度の面内均一性が課題となっていた。我々は大面積高均一なSERSデバイスとして、新たに金ナノコーラル(GNC)を開発した。さらにGNCは、サンプルによる光学的影響を受けずに基板裏側からSERS測定を行うことができるという特長を持つ。当日は、GNCの概要と、これを用いたバイオサンプルにおける代謝物イメージングの結果を報告する。
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21.
内視鏡イメージング技術の現状と進歩【招待講演】
(11:20〜12:00) |
オリンパス(株)
五十嵐 誠 |
癌の早期発見、および、低侵襲治療において、内視鏡の果たす役割は年々大きくなっている。しかし、従来の内視鏡装置は、数mm程度の微小病変の発見や病変の良悪性鑑別、また、効率的な治療の観点で必ずしも十分とは言えない。そこで、本講演では、従来の内視鏡装置が抱える各種課題を改善する新たな内視鏡イメージング技術と、それらが提供する医学的有用性について概説する。
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─ 昼食 (12:00〜13:00) ─
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午後の部 (13:00〜18:30)
22.
補償光学を用いた眼底イメージング【招待講演】
(13:00〜13:40) |
京都大学
宇治 彰人 |
近年、補償光学(Adaptive Optics: AO)の眼底イメージングへの応用が注目されている。従来、眼底イメージング機器を用いた生体眼の観察では角膜や水晶体の歪みによる収差によって面分解能が低下し、細胞レベルでの観察は困難であったが、眼底観察装置に眼球全体の収差を補正するAOを導入することにより高分解能の形態イメージングを実現できるようになった。補償光学を利用した走査型レーザー検眼鏡 (AOSLO) はコントラストの高い鮮明な像が得られ、視細胞や神経線維、血球を非侵襲的に観察することができる。本講演では、様々な眼底疾患における撮影例や解析結果を中心に解説しその魅力を紹介したい。
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23.
グリズムを用いた低分散直視分光器の開発
(13:40〜14:00) |
(株)昭和機械製作所1), 理化学研究所2)
○渡邉 和明1), 海老塚 昇2) |
グリズムを用いた小型で扱いが簡便な低分散直視分光器を開発した。直視分光器の開発の経緯や特長について紹介する。入門用、教育用として光源の方向を覗い て蛍光灯などのスペクトルや、望遠鏡に取り付けて天体のスペクトルを眼視観測ができるほか、コンパクト デジタルカメラなどで写真撮影も可能である。この直視分光器についてのご意見や応用のためのご要望等をいただければ幸いである。
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24.
超精密切削加工による天文用イメージスライスミラー
(14:00〜14:20) |
東京大学1), 東京電機大学2), 理化学研究所3), 国立天文台4), カリフォルニア大学ロサンゼルス校5)
○北川 祐太朗1), 森田 晋也2),3), 山形 豊3), 尾崎 忍夫4), 玉光 未侑1), 中川 桂一1), 合田 圭介1),5), 本原 顕太郎1) |
本講演では近年、天文学において急速に発展している面分光と呼ばれる観測手法と、それを実現するための光学素子の開発について紹介する。特にイメージスライサー方式と呼ばれる手法を用いた場合、複雑形状を有するミラーアレイを高精度で製作する必要がある。我々は超精密切削加工技術に着目し、イメージスライスミラーアレイの一体加工に着手している。講演ではその過程で得られた技術課題についても報告する予定である。
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25.
次世代天文学観測装置用の新しい高分散回折格子
(14:20〜14:40) |
理化学研究所1), 豊田工業大学2), 東北大学3), シチズンホールディングス(株)4), (株)クリスタル光学5), 国立天文台6)
○海老塚 昇1), 岡本 隆之1), 森田 晋也1), 山形 豊1), 佐々木 実2), 魚本 幸3), 島津 武仁3), 田辺 綾乃4), 橋本 信幸4), 桐野 宙治5), 尾崎 忍夫6), 青木 和光6), 高見 英樹6) |
光学異方性媒質を用いてSとP偏光の分光効率特性を一致させることによって大きな回折角においても高い回折効率を達成できる Birefringence binary Bragg(3B) gratingや、高次回折光に対して高い回折効率を達成できるQuasi-Bragg gratingのミラー 基板を積層による製作方法を紹介する。また、階段格子のシリコンやゲルマニウムのImmersion gratingの新しい切削加工方法についても紹介する。
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─ 休憩 (14:40〜15:00) ─
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26.
LEDアダプティブ・ドライビング・ビームヘッドランプ【招待講演】
(15:00〜15:40) |
スタンレー電気(株)
黒須 寛秋 |
スタンレー電気は日本初のLEDアレイ方式アダプティブ・ドライビング・ビームを2014年10月に開発完了した。開発品が搭載されたマツダCX-5が2014年11月に発表された。アダプティブ・ドライビング・ビームは、ハイビーム配光の一部を消すことで、先行車・対向車に眩しさを与えないように制御できるヘッドランプシステムである。このシステムにより、前方の道路形状や歩行者を早期にドライバーに認識させ、安心・安全な夜間視界を提供することが可能となった。
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27.
蛍光導光板の集光デバイスとしての形状効果
(15:40〜16:00) |
丸茂電機(株)1), 東海大学2)
○浅川 久志1), 若木 守明2), 渋谷 猛久2) |
太陽光の代表的な利用形態としては、植物育成等における自然光利用や、光電変換を用いた電気としての利用、および熱に変換して利用する方法などがある。また、太陽光を受光部で直接入射する方法と、レンズ、反射鏡などの光学デバイスを用いて受光部に集光入射する方法がある。今回我々は、太陽光を集光する方法のうち一般的な光学デバイスでなく、蛍光導光板を用いた方法に着目し、集光効果に対する導光板の形状効果を確認した。
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28.
導波モード移行による有機EL素子の表面プラズモン損失低減のための理論条件
(16:00〜16:20) |
産業技術総合研究所
○石堂 能成、谷垣 宣孝 |
ボトムエミッション型有機EL素子の光取り出し効率では金属電極界面での表面プラズモン損失がボトルネックとなっている。有機EL素子はつまるところ発光体を装荷した多層スラブ導波路であるが、ここでは特に金属装荷導波路におけるモード移行(mode-transformation)による表面プラズモンモードの伝搬損失低減のための媒質条件を示し、光取り出し効率改善への応用の有効性について述べる。
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29.
複合成膜によるアクリル基板へ高密着な光学薄膜の形成
(16:20〜16:40) |
東海大学大学院
○田島 直弥, 室谷 裕志 |
アクリル基板への直接成膜は密着性に問題があるため、従来では有機材料を下地層に用いて密着性を向上させている。しかしこの有機材料は散乱などの要因になっている。本研究では、密着性の高い初期層(下地層)の条件を探るとともに、最終目標としてアクリル基板上に密着性の高い多層膜の光学薄膜を形成することである。この目的を達成するために、私たちの研究室で複合成膜装置を開発し、アクリル基板への直接成膜を行った。
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─ 休憩 (16:40〜17:00) ─
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30.
プレノプティック光学系を活用した2次元色彩輝度計
(17:00〜17:20) |
(株)リコー
○増田 憲介, 山中 祐治, 丸山 剛, 永井 祥 |
多バンドを用いた分光イメージング技術は,色・成分・温度など対象物の多くの情報を抽出することを可能とした画像情報多次元化の1つの手段である.我々は,独自の微細光学技術および画像処理技術を融合させ,シングルスナップショットで高精度に測色が可能な2次元色彩輝度計を開発した.ディスプレイの面内の色むら測定を例にとり測色性能を評価し,製造現場における色検査への適用可能性を確認した.
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31.
超広角3D光学系
(17:20〜17:40) |
オリンパス(株)
研野 孝吉 |
軸対称自由曲面を用いた超広角3D反射型撮像光学系を発案したので、これについて報告する。
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32.
複画素構造イメージセンサーによる撮像面位相差AF技術 - Dual Pixel CMOS AF -【招待講演】
(17:40〜18:20) |
キヤノン(株)
福田 浩一 |
デジタル一眼レフカメラEOS 70Dに搭載されたDual Pixel CMOS AFは、全ての画素が2つの独立したフォトダイオードから成り、撮像と位相差AFの2つの機能を合わせ持つ複画素構造イメージセンサーと、撮像面位相差AF用に新たに開発されたAF演算システムを用いた、革新的な撮像面位相差AF技術である。Dual Pixel CMOS AFにより、光学ファインダー撮影時と同様に、ライブビュー撮影時や動画撮影時などの幅広い撮影条件において、高速かつ滑らかで高品位な位相差AFを実現した。このDual Pixel CMOS AF技術について紹介する。
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閉会の辞 (18:20〜18:30) |
実行委員長 藤川 知栄美〔東海大学〕 |
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