第24回光学シンポジウム(光学技術・学術講演会)
ア ブ ス ト ラ ク ト

[光計測]


24. リアルタイム位相シフト干渉法による宇宙での結晶成長の研究[招待講演]

東北大学  塚本勝男

溶液から結晶が成長しようとすると近傍に濃度や温度勾配が生じる。この分布は光干渉法で可視化できるが、宇宙に持ち込むには振動や操作性などに難点が多い。この問題を克服しながら共通光路型干渉計やリアルタイム位相シフト干渉計などを宇宙での結晶成長その場観察用に製作し、航空機や落下施設を利用した微小重力での結晶成長メカニズムの研究を行った。これらの経緯や今後の計画をレビューする。


25. 微分干渉計を用いた光CT法による屈折率分布の時間的変化の測定

大阪府立大学、産業技術融合領域研究所*、住友精密工業(株)**、奈良先端科学技術大学院大学***   菊田久雄、岩田耕一、中野隆志*、中西功二**、石墨紀孝***

ガスや流体などの屈折率分布の時間的変化を微分干渉計を用いて計測する光CTの装置を試作した。微分干渉計はわずかに異なる二つの周期をもつ回折格子を用いて構成し、合計6方向の観察をビデオレート(1/30毎)で同時に行うことができる。実験ではロウソクの炎やヘリウムガスの屈折率分布の時間的な変化の様子を観察している。

26. 複屈折の高空間分解測定法

(有)ユニオプト、住友大阪セメント(株)*、東京農工大学**  
高和宏行、築地光雄、日隈 薫*、市川潤一郎*、梅田倫弘**

結晶などのウェハー作製において,その欠陥を検出する方法として複屈折による評価方法が用いられている.しかし,従来の方法ではレーザー光の断面積より細かい構造を測定することは出来ない.今回,我々は検出部に光ファイバーを用いることで空間分解能を光ファイバーの開口で規定する方法を考案し,ウェハーの評価実験を行った.本報告では,装置の基本特性を示すとともに,複屈折分布の新らしい表示方法について述べる.


27. 縞走査干渉計における振動に強い位相解析法

(株)ニコン  朱 郁葱、玄間隆志

位相シフト法で干渉縞の位相解析を行う場合に振動の影響を受けやすいという問題がある。今回われわれは指定された周波数の振動に強い位相解析アルゴリズムの系統的な導出方法を見出し、新たに導出した計算式の振動特性の理論的評価、コンピューターシミュレーション、実験確認を行い、結果が一致したので報告する。

28. 白色干渉法による三次元構造のスペクトル解析

筑波大学  蔡 明宏、黄 洪欣、伊藤雅英、谷田貝豊彦

白色光を光源とした干渉計測においては干渉縞は光路差ゼロの位置付近に局在する。ここでは、白色光源を用いて反射光によって形成された干渉縞から、試料の三次元構造と吸収スペクトルの情報を同時に測定する方法を提案する。本方法を用いると厚さの絶対値を波長の整数倍不確定性なく測定でき、いくつかスペクトル分布をもつ多層構造物に対し、各層の吸収スペクトル特性を測定することができる。 



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