(公社)応用物理学会分科会 日本光学会主催
2011年度 光学シンポジウム
Optical Symposium
「光学システム・光学素子の設計,製作,評価を中心として」
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36th Symposium Announcement in English


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第36回 光学シンポジウム
招待講演の概要

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量子ドットの発展:レーザから固体系共振器量子電磁力学の舞台まで

講演者
荒川 泰彦 (東京大学)
講演概要
1982年に生まれた量子ドットは,四半世紀を経て量子ドットレーザとして実用化段階に入り,既に市場に出荷されている.一方,ナノ技術の発展により,単一量子ドットとフォトニック結晶ナノ共振器の結合系は,固体系の共振器量子電磁力学の舞台を提供し,量子光学の発展に大きく貢献している.本講演では,量子ドットレーザの歴史的展開と市場化について述べるとともに,単一人工原子レーザを含む共振器量子電磁力学の発展について論じる.

構造化照明を利用した超解像顕微鏡

講演者
大内 由美子 (株式会社ニコン)
講演概要
顕微鏡によるライブセル・イメージングの技術革新が求められる昨今,光学顕微鏡を用いながら従来の解像限界を超える超解像顕微鏡を開発した.モアレの原理を蛍光顕微鏡に応用した構造化照明顕微法によって,分解能を約2倍に向上させることができ,細胞小器官の微細構造のイメージングに役立っている.本講演では,構造化照明技術の説明と超解像顕微鏡で得られた画像を紹介する.

光コムによる長さ計測

講演者
美濃島 薫 (独立行政法人産業技術総合研究所)
講演概要
光コム技術は誕生から10年以上が経ち,周波数計測の分野において成功を収めてきたが,長さ計測の分野では,まだその可能性が十分利用されているとは言えない.光コムの特性を生かし,物理量の中で最も高精度が実現されている時間周波数標準・計測技術を長さ計測技術に取り入れることにより,ピコメートルからキロメートル領域に及ぶ,高精度,高ダイナミックレンジの長さ計測技術が可能になる.本講演では,長さ計測における光コム技術の特長と,著者らのいくつかの研究例を紹介する.

レーザーTV開発

講演者
小島 邦子 (三菱電機株式会社)
講演概要
レーザTVは,当社独自のレーザ応用技術を適用した新たなカテゴリのディスプレイである.ディスプレイの光源に色再現性が優れたレーザを採用することにより,極めて広い色再現範囲を実現した.75型のレーザTV「LASERVUE」は,色再現範囲が広いだけでなく,低消費電力化も達成している.発光効率の高いレーザ光源を高速の点灯制御回路で最適駆動することにより,75V型の大画面にもかかわらず,定格消費電力305Wという低消費電力を達成している.

自由曲面レンズとミラーを用いた超短投写距離プロジェクタ

講演者
谷津 雅彦 (日立コンシューマエレクトロニクス株式会社)
講演概要
液晶テレビとPDPの大画面化及び低コスト化が進む中で,プロジェクタの高機能化による新市場の開拓を狙い,超短投写距離プロジェクタの開発を行った.本開発においては,従来のプロジェクタを用いたプレゼンテー ションでの問題点(@発表者の影が映像に映り込むA映像光が発表者の目に入り込み眩しい)を解決する手段 として,新しい光学素子である自由曲面レンズと自由曲面ミラーを用いた斜投写方式の光学設計を実現した.

肌の透明感測定

講演者
桑原 智裕 (株式会社資生堂)
講演概要
日本人女性の肌の透明感に対する意識は年々高まってきており,これに対応した化粧品を開発する上では,肌の透明感を客観的に評価する技術が求められている。近年,透明感と皮膚生理特性との関係についての研究が進み,皮膚の光学的な計測技術の進歩と相まって,機器による透明感の実用的な測定法が提案されてきている.本講演では透明感の定義・要因についての知見とともに特に素肌の透明感を評価する技術について紹介する.

次世代光ディスク「マイクロリフレクター」の開発

講演者
角 洋次郎 (ソニー株式会社)
講演概要
我々はBlu-rayに続く次世代大容量光ディスク「マイクロリフレクター」の開発を進めている.マイクロリフレクターは単一記録媒体に微小サイズの光反射ピットを30層以上多層記録する,いわゆる超多層方式の記録技術である.これまでピット構造として空包である“ボイド”と,屈折率差の多重干渉を利用する“マイクロホログラム”の2通りを検討してきたが,いずれにしてもメディア構造は単純であり,低コスト化が期待できる.本講演では,マイクロリフレクター開発のこれまでの経緯と今後の展望を紹介する.

自然で見やすい裸眼3Dディスプレイの開発

講演者
平山 雄三 (株式会社東芝)
講演概要
3Dディスプレイを広く一般に普及させるためには,観賞者にメガネをさせないことはもちろん,本物のように自然で見やすい3D映像を表示することが重要である.今回,インテグラルフォトグラフィ(IP)方式をベースに視差を水平方向のみにした1次元インテグラルイメージング方式を開発した.視域の拡大,モアレの抑圧,2D/3D切替表示技術などについて述べる.世界初の裸眼3D液晶デジタルテレビなどへの応用についてもご紹介する.
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