(一社)日本光学会 主催

(公社)応用物理学会フォトニクス分科会 共催

2025年 第50回 光学シンポジウム

Optical Symposium

「実用的な最先端の光学設計/光計測/光学素子/光学システム」

第50回 光学シンポジウム
招待講演の概要

高度液晶光配向技術を用いた幾何学位相光回折素子創成とイメージング応用

講演者
小野 浩司 (長岡技術科学大学)
講演概要 幾何学位相を空間変調し、それらを通過する光の偏光状態を局所的に変化させることによって動作するいわゆる幾何学位相光回折素子は、薄型で100%の回折効率が実現できることから、多様な光学システムを“偏光化”させることにより革新させることが期待される。本講演では、我々が開発した実用的な液晶光配向技術を用いた幾何学位相光回折素子形成と、それを用いた空中映像および偏光イメージングシステムについて紹介する。

単純2枚ミラーEUV反射光学系の各種収差補正問題とEUV露光装置の国産化計画

講演者
新竹 積 (沖縄科学技術大学院大学)
講演概要 EUV露光装置は高額な初期費用と高い消費電力のため未だに広く半導体製造ラインに導入されたとは言えない。この問題の解決のため昨年4月に2枚ミラー構成の単純構成のプロジェクターが消費電力を大幅に削減できる事を示した。本公演では収差補正の実際と、これを用いた国産EUV露光装置開発の現状について述べる。

光メタサーフェス:メタレンズから分子センサーまで

講演者
田中 拓男 (国立研究開発法人理化学研究所 光量子工学研究センター)
講演概要 「メタサーフェス」として知られる二次元版のメタマテリアルは,その加工の容易さから近年活発に研究が進められている.本講演では,メタサーフェス技術を利用した2種類のデバイスを紹介する.1つはメタサーフェスで構成された平坦かつ極薄のレンズ「メタレンズ」であり,特に焦点距離可変メタレンズを中心に最新の進展を取り上げる.もう1つは,メタサーフェス光吸収体を用いた高感度分子センサーで,固体・液体・気体サンプルそれぞれについての事例を紹介する.

フルカラー高解像度積層計算機合成体積ホログラムの製作手法

講演者
西 寛仁 (関西大学)
講演概要 コンピュータホログラフィの技術発展は著しく,社会実装可能な実用的なホログラムが作製可能となった.特に,波長選択制を有する高解像度な計算機合成体積ホログラム(CGVH)の作製技術が発展し,RGBの各ホログラムを積層する積層CGVH方式にて高品質なフルカラー3D像が再生できるようになった.本発表では,CGVHの作製法であるコンタクトコピーと波面プリンタを説明し,実際に作製したフルカラーの高解像度積層CGVHを紹介する.

質感をとらえるボリュメトリック映像制作システム

講演者
廣島 俊枝 (日本放送協会 放送技術研究所)
講演概要 NHK放送技術研究所では,被写体の動的な3次元形状に加えて,ライトフィールドや反射特性を取得可能な次世代のボリュメトリック映像制作システム「メタスタジオ」の開発を進めている.メタスタジオで取得したモデルは,視点依存の見栄えをありのままにレンダリングできるほか,写実性・質感を保った再照明にも対応している.本稿では,被写体の幾何学的・光学的な属性取得,レンダリング法,および制作支援技術について紹介するとともに,2D映像,3D映像,xRコンテンツ制作等への応用・ワークフローについて展望を述べる.

オプトルのメタレンズの取り組み

講演者
藤村 庚浩 (株式会社オプトル)
講演概要 株式会社オプトルは2024年7月にリコーグループから事業承継しました。私たちは長年にわたりマイクロレンズアレイやフォトニック結晶といった微細加工デバイスの開発・量産を行ってきました。この技術ノウハウを生かし、現在はメタサーフェスの開発・量産化に取り組んでいます。今回は、メタDOEやメタレンズを用いた照明、カメラモジュールなど、実際のモジュールに適用した結果をいくつかご紹介させて頂きます。

鏡から映像が飛び出す超鏡空中像表示技術

講演者
巻口 誉宗 (日本電信電話株式会社)
講演概要 我々は現実世界と仮想世界が高度に融合した世界のひとつとして,人々の想像力が作り出すフィクションのような現象を現実世界で実現したいと考えている.こうした取り組みの中で,我々は鏡の中からバーチャルキャラクタが飛び出してくる超鏡空中像という新たなコンセプトを提案している.本講演では超鏡空中像のコンセプトを実現するための光学系に加え,コンテンツデザインやインタラクション手法,視域拡大手法について紹介する.

射出圧縮成形技術の光学レンズ適用

講演者
森 基 (コニカミノルタ株式会社)
講演概要 高偏肉形状および低歪が求められるプラスチックレンズ(VR (Virtual Reality) ゴーグル、車載カメラ、遠赤外線カメラ等の用途)の性能を実現する手段として、射出圧縮成形法を開発しました。本講演では、この技術の製品適用および効果(低歪・高偏肉形状の実現)を中心に紹介します。従来困難だった低複屈折、薄肉・偏肉のレンズの製造を可能とするこの技術を幅広い製品に応用し、今後も社会の「みたい」の実現に貢献してまいります。


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